BAT(ベーシックアテンショントークン)とは?特徴・過去のチャートなど

Webブラウザ「Brave」のネイティブトークンであるBAT(ベーシックアテンショントークン)今回はBraveブラウザとは何か、暗号資産(仮想通貨)BATとは何か、BAT及びBraveブラウザの特徴、過去の価格推移、そして今後の展開も含めて解説していきます。
目次
Braveブラウザとは
Braveブラウザは、Google ChromeやSafari、Microsoft Edge などと同様、インターネットを閲覧するためのウェブブラウザです。Windows、macOS、iOS、Android、Linux、全ての環境において無料でダウンロードし使用することができます。
Braveブラウザは、JavaScriptの開発者であり ウェブブラウザ “Mozilla Firefox” の共同創立者でもあるBrendan Eich氏と、EvernoteやKhan Academyの開発に携わっていた Brian Bondy氏の2名によって開発され、2016年1月にベータ版を公開、2019年11月にBrave 1.0が正式リリースされました(参考:Google Chrome は2008年、Microsoft Edge は2015年に公開)。
Braveブラウザの最大の特徴は、プライバシーに重きを置いている点です。通常のウェブブラウザでは表示される広告やトラッカーが全て Brave Shields というデフォルト機能によってブロックされ、これによってページ読み込み速度の向上やバッテリー・モバイルデータの節約を実現しています。
BAT(ベーシックアテンショントークン)とは
2017年5月31日に、Braveブラウザで使用できる暗号資産として、ベーシックアテンショントークンが発行されました。ティッカーはBATです。
デフォルトで広告がブロックされるBraveブラウザですが、広告主は広告の掲載枠をBATで購入し、ユーザはBrave Adsという機能で広告表示をオンにすることで閲覧した広告に応じてBATが付与されます。
またBrave Rewardsという機能では、特定のクリエイター(サイト)に支援として毎月一定額のベーシックアテンショントークンを送る機能や、閲覧しているサイトにベーシックアテンショントークンを送るいわゆる「投げ銭機能」も実装されています。
ユーザのプライバシーを保ちつつ、「アテンション(関心度)」に応じて報酬が付与されることから、ベーシックアテンショントークンという名称になっています。
インターネット広告とBAT
現状のインターネット広告の仕組みにはさまざまな問題が指摘されています。
第一に、広告の量です。昨今、ブラウジング中やアプリの使用中に非常に多くの広告が表示されます。このような広告は必要なデータ処理が多く、モバイルデータやバッテリー消費の増加、読み込み速度の低下に加え、プライバシーの観点からも懸念が示されています。
そしてもう一つ指摘されている問題はウェブ広告の独占です。現在ウェブ広告による収益の大半がGoogleのAlphabet社やFecebookのMeta社、Amazon社によって占められており、新規参入が困難な状態に陥っています。
Braveブラウザはこのような仕組みを変えることを目的としており、不必要な広告は排除し、BATを用いてユーザも利益を得られる、という斬新なアイデアを実現しています。
BATの特徴
BATはイーサリアムブロックチェーン上のERC20トークンで、コンセンサスアルゴリズムはPoWを採用しています。Brave Micropayments Ledger を使うとベーシックアテンショントークンの流動性を把握することができ、広告主・クリエイター・ユーザはスマートコントラクトを活用し相互に支払いを行うこともできます。
BATは通常の暗号資産と異なり、ポイントのような役割を担っておりユーティリティトークンであることも特徴です。
また発行量に関しては、総発行量の15億BAT全てがすでに発行されており、当初のICOで販売された10億BATはわずか30秒で3500万ドルの売り上げを記録しています。
そしてホワイトペーパーには、今後は新規の発行を行わないことが明記されています。
これまでのBraveブラウザ・BATと今後
これまでのBraveブラウザ・BAT
2017年に発行されたBATは、発行当初は 1BAT=10〜30円のレンジで取引されていました。2018年初頭には暗号資産バブルに合わせて一時100円付近 まで上昇したものの、2019年初頭には 10円台まで下落。
2019年4月にBrave Rewards機能が発表され、Braveブラウザ上でBATのマイクロペイメントが可能になり、広告閲覧による報酬獲得や投げ銭機能も実装されたことから、一時40円台まで上昇しました。
その後は米評価サイトより2019年の「ベストプライバシー商品」に選出されたり、日本ではTOKYO MXの番組で紹介されるなど、知名度は徐々に上昇しました。
2020年3月には開発者のEich氏がTwitterにて月間アクティブユーザーが1220万人を突破したことを報告し、ダウンロード数もApp StoreやGoogle Playで上位に入るほどの人気を博しました。
価格は長らく安定して 20円近辺 を推移し続けましたが、2021年2月から暗号資産バブルと合わせて価格が急騰。ウォレットやDEX機能の実装予定に加え、3月にはGoogleから独立した独自検索エンジンBrave Searchの導入計画を発表。
米グレースケールがBATの投資信託を提供し始めることも報道され、2021年4月には170円付近の高値を更新しました。しかし、中国での暗号資産規制強化などが嫌気され、その後の2021年7月には50円台まで反落。
2021年11月にはBraveブラウザが暗号資産ソラナ(SOL)のネットワークを機能として統合することを発表し、Brave独自の暗号資産ウォレットも正式リリースしました。暗号資産市場全体が下火となる中、ミーム的人気の爆発によりBATの価格は再び急騰。2021年11月28日には過去最高値の200円付近を更新しました。
*CoinMarketCap参照
Braveブラウザ・BATの今後
2021年2月、Braveは今後の指針となる「BAT Roadmap 2.0」を公開しました。ここでは2021年11月にリリースされたウォレット機能の拡張に加え、Brave SwapというDEX機能の実装や、2022年前半にはウォレット機能をソラナ・ブロックチェーンに対応させることも発表されています。
ウォレット機能ではガス代のBATでの支払いやNFTへの対応、DEX機能ではBATの更なる活用、WeChat・Kakao・Lineなどと提携し更なるコミュニティ拡大など、今後に向けたさまざまな取り組みが記されています。eスポーツチームなどの業界内外との提携も活発に行っており、更なる発展が期待されています。
まとめ
独自のウェブブラウザやウォレット機能を持つBrave。
Brave専用の暗号資産BAT。従来のウェブ広告のあり方やインターネットの使用体験に変革をもたらすだけでなく、今後はBraveを基盤としたさまざまなサービスが開発され、唯一無二のプラットフォーム構築が期待されています。
BATは暗号資産に詳しく無い人でも用途や用法がわかりやすいのも特徴です。今後も引き続きユーザの増加が見込まれるBraveブラウザとBATに注目です。
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執筆者
I.Suenaga
東京都内の大学生。 Fintechについて学ぶ中で、新興国でのスマホを用いた金融サービスを知り、Fintech全体の社会貢献の側面に関心を寄せる。 特に暗号資産の可能性に魅了され、金融の民主化や今後考えられる様々なユースケースに期待を込め、自分が価値発揮できる部分を日々模索中。 最近はCBDCの浸透にも注目。