ライトコインとは?特徴・過去のチャート・今後の展望

ビットコインの「金」に対する「銀」としても知られているライトコイン。ビットコインの技術を用いて開発されたこともあり、2つには共通点がたくさんあります。
今回はライトコインとは何か、ライトコインの特徴、過去の価格推移、そして今後の展開も含めて解説していきます。
目次
・ライトコインとは?
・ライトコインの特徴
・ライトコインとビットコインの違い
・これまでのライトコインと今後
・これまでのライトコイン
・ライトコインの今後
・まとめ
ライトコインとは?
ライトコイン(Litecoin)は、日常的な取引に使われることを想定した非中央集権型のネットワークで、ティッカーはLTCです。2011年にビットコインの技術を用いて開発され、開発者は元GoogleエンジニアのChalie Lee氏。
Lee氏は多くの暗号資産が不平等な形でリリースされていたことを問題視し、ライトコイン発行時には「公平性」を重視したと述べています。
一部の人間が多額の暗号資産を所有することは非中央集権というビジョンに反すると訴え、他の暗号資産で盛んに行われていたプレマイニング(リリース前にマイニングを行い、開発者が一定の暗号資産を得ること)を最小限の150 LTCに控えました。
また、リリース日程も公開コミュニティ上で投票により決定し公平性が保たれました。ライトコインは、こういった活動により現在の地位を維持することができたのではないかとLee氏は述べています。
ライトコインの特徴
ライトコインはP2P(ピア・ツー・ピア)の非中央集権的なネットワークのため、LTCの取引は中央権力の承認プロセスを必要としていません。
マイナーと呼ばれるユーザが報酬のライトコインと引き換えに取引を検証、ブロックチェーンに取り込み、それらをまとめたブロックが承認されることで、取引が実行されます。
マイナーが獲得するライトコインはプログラムより新しく発行されたものであるため、鉱石の採掘にちなんで「マイニング」、そしてそれを行うユーザーは「マイナー」と呼ばれています。ちなみにライトコインが採用しているマイニングの仕組みはビットコインと同様、Proof of Work(PoW)です。
マイニングによって得られる報酬が半減する半減期は、ライトコインの場合 840,000ブロックごとに設定されています。ライトコインは今までに過去2回、2015年8月25日と2019年8月5日に半減期を迎えています。
当初の報酬は1ブロックにつき50 LTCでしたが、2回の半減期を経て現在は12.5 LTCです。次回の半減期は2023年8月と予想されています。
また、ビットコインやモナコインと同様、2017年5月よりSegWit (Segregated Witness) 技術が実装され、取引速度の向上やブロック容量の増加、トランザクション手数料の低減が図られています。
ライトコインとビットコインの違い
ライトコインはビットコインの技術をベースに開発され、その名の通り、ビットコインを更に "ライト (軽量)" にした暗号資産を目指してデザインされています。
実際にトランザクション手数料はビットコインより安く設定されているのに加え、取引スピードはビットコインの4倍速く、ビットコインでは1ブロック承認するのに約10分かかるところ、ライトコインでは約2分半に短縮されています。
また、ライトコインの発行上限もビットコインの4倍である8400万LTCに設定されています。ハッシュ関数に関しても、CPUマイニングを可能にするのに加え、ビットコインのマイナーとの競合を避けるためにあえて異なるものが採用されています。
ライトコインとビットコインの主な違いは以下の通りです。
暗号資産 |
ビットコイン(BTC) |
ライトコイン(LTC) |
発行開始年 |
2009 |
2011 |
発行上限 |
21,000,000 BTC |
84,000,000 LTC |
コンセンサス・アルゴリズム |
PoW(Proof of Work) |
PoW(Proof of Work) |
ハッシュ関数 |
SHA-256, RIPEMD-160 |
scrypt |
ブロック生成時間 |
約10分 |
約2.5分 |
半減期 |
210,000ブロック |
840,000ブロック |
これまでのライトコインと今後
これまでのライトコイン
2011年に公開されたライトコイン。2013年にかけてライトコインは徐々に知名度は上昇し、公開当初は1 LTC=¥430程度でしたが、2013年には一時¥4500まで高騰しました。その後は再び一桁台まで下落し、2015年8月の半減期後によって一時上昇したものの、2017年までの期間は主に¥400近辺を推移しました。
2017年には暗号資産市場に多額の資金が流入し、SegWit実装やLightning Networkによる取引の成功も伴い、12月には¥40400まで高騰しました。これにより、開発者のLee氏はTwitterで自身が保有するライトコインを手放したことを発表し、ライトコインは今後独立して成長し続けることが可能になったと表明しました。
その後は暗号資産バブルの崩壊とともに再び下落したライトコインですが、2回目の半減期である2019年8月の前には¥15200まで回復しました。その後2020年末から価格は急騰し、2021年5月には¥47600を超える史上最高値を更新しました。
2021年9月13日には、大手ニュースメディアによる米小売大手ウォルマートがライトコインの支払いオプションを追加するという報道を受け一時35%の高騰を記録したものの、直後に誤報であることが発表され終息しました。
ライトコインの過去のチャートは以下の通りです。
https://www.liquid.com/ja/check-our-chart-ltc/
ライトコインの今後
2022年2月1日、待望のミンブルウィンブル(MimbleWimble)のリリースがライトコイン財団より発表されました。ミンブルウィンブルはコンセンサス・アルゴリズムであるPoWの大型アップグレードであり、これによってブロックサイズの縮小、スケーラビリティの拡大、プライバシーや代替可能性の向上が期待されています。
具体的には、送金したという履歴が匿名化されることや、ライトコイン一枚一枚の区別を排除することが挙げられます。Lee氏は2019年にミンブルウィンブル開発に取り組む旨を発表し、2020年10月にテストネットがリリースされ、発表から2年以上かかった大型プロジェクトです。今後はマイナーによる投票の結果に応じて、正式に実装される予定です。
ライトコインは過去に2回半減期を迎えており、2回とも半減期の1、2ヶ月前まで価格が上昇し、そこから利益確定売りによる下落で半減期を迎える、といったパターンを踏んでいます。したがって、次回の半減期が予想されている2023年にも注目する必要がありそうです。
2021年にはFlare Networks(暗号資産XRPのネットワークにスマートコントラクトを導入するプロジェクト)のライトコイン統合が発表されたり、2021年9月にはライトコイン財団が分散型トークン作成プラットフォーム OmniLite の立ち上げを発表するなど、有用性や用途拡大が進められており、今後もライトコインの更なるポテンシャル拡大が注目されています。
まとめ
本記事ではLiquidで1月31日から取り扱いを開始した『ライトコイン(LTC)』について解説しました。ライトコインのネットワークは長年安定して稼働しており、価値の貯蔵や交換、そして送金ツールとしてもとても優れていることがわかります。
当初はビットコインとの共通点が多かったものの、OmniLiteなどの独自進化も遂げており、今後はライトコインネットワーク上でNFTの発行が可能になったりと機能の拡張が進められています。
流動性は世界的にも高く、トランザクション手数料も比較的安価なため、実際に決済手段として利用されている事例も多数あり、多方面から将来性が期待されています。ミンブルウィンブルの正式実装も含め、今後のライトコインの動向に要注目です。
ご注意
本記事は特定の暗号資産の売買等の取引を勧誘・推奨することを目的としておりません。また、暗号資産の抱えるリスクを個別具体的又は包括的に解説するものでもありません。
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執筆者
I.Suenaga
東京都内の大学生。 Fintechについて学ぶ中で、新興国でのスマホを用いた金融サービスを知り、Fintech全体の社会貢献の側面に関心を寄せる。 特に暗号資産の可能性に魅了され、金融の民主化や今後考えられる様々なユースケースに期待を込め、自分が価値発揮できる部分を日々模索中。 最近はCBDCの浸透にも注目。