FUD(ファド)とは、マーケティング用語のひとつです。
不安感をあおり、相手を不利な状況に立たせたり評価を下げさせたりすることで、その状況を打破する方法をもつものに目を向けさせるというアンチマーケティング手法です。
『Fear(不安)』、『Uncertainty(不確実)』『Doubt(疑念)』の頭文字を取っています。
ネガティブな意見や批判、悪材料によるFUDは、仮想通貨の世界ではよく見られます。
金融市場の中では誕生して間もない仮想通貨業界では、値動きの傾向などがまだ不安定だからです。
特に仮想通貨の価格が下がった時に、FUDの影響を指摘されるケースが多いです。
世界規模で取引が行われる仮想通貨の世界では、よい情報も悪い情報も非常に早く、そして広く伝わります。新しい情報をキャッチですばやく手に入れられるメリットがある一方で、根拠が不明な噂、つまりFUDもまた一瞬にして広まってしまうため、仮想通貨の価格に大きな影響を与えやすいといえます。
人はもともとポジティブな意見よりもネガティブな意見に意志や感情が引っ張られやすいという特徴があります。
仮想通貨の世界は金融市場においてはまだ黎明期ですから、FUDの影響を受けやすいです。FUDが一度広まると、仮想通貨の価格の暴落が起こり、パニックが起こる可能性は少なくないでしょう。
最近起こったFUDの例として分かりやすいのは、仮想通貨取引所であるコインチェックの不正送金事件です。ネムへ莫大な金額の仮想通貨が不正流出したことが明らかとなり、コインチェックがすべての入出金を停止したことも重なって、コインチェックが破綻するというニュースが瞬時に広がりました。
コインチェックに預けた資産は一切戻らないといった話も次第に出てきて、ユーザーの間で混乱が広がったのは記憶に新しいところです。
その後、日本円の出金が完了していること、不正流出したネムは日本円での返金が決定したこと、もともとユーザーの資産とは分離管理していたことがコインチェックから正式に発表され混乱はおさまりましたが、コインチェックが破綻するというニュースはまさにFUDの一種です。
また、2018年の初めには、世界各国で仮想通貨を規制するといったFUDが広まりました。メディアでも大きく報道され、その影響で仮想通貨の相場は大きく値崩れしました。
実際には取引時の本人確認や違法なICOの規制が予定されていたにすぎず、仮想通貨が全面的に規制されるという情報はFUDといえるでしょう。
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