暗号資産(仮想通貨)における発行量とは、全世界で流通している暗号資産(仮想通貨)の総量のことです。
円やドルなどの法定通貨は、政府や中央銀行などが発行量を調節していますが、暗号資産(仮想通貨)は発行量の上限があらかじめ決められています。なぜ上限が決められているのかというと、これまでの通貨でたびたび発生してきたインフレーション(インフレ)を起こさないようにするためです。
通貨の流通量が増えすぎるとその通貨の価値が下がってしまいます。この、通貨の価値が下がった状態のことをインフレーション(インフレ)といいます。インフレが起きてしまうと、インフレ前には100円で買えていたものが1000円出しても買えなくなるといった事態になります。2000年代初頭にはジンバブエ・ドルがハイパーインフレを起こし、通貨が2015年に廃止となる直前には1円=300,000,000,000,000ドルという壮絶な相場になっていました。ジンバブエ・ドルの例は非常に極端ですが、インフレ状態による通貨価値の下落を起こさないよう、あらかじめ発行量を制限しようというのが暗号資産(仮想通貨)の考え方です。
発行上限枚数はそれぞれの暗号資産(仮想通貨)によって異なります。暗号資産(仮想通貨)の代表的なものとして知られているビットコインは2100万枚です。ただしイーサリアムのように発行上限が設定されていない仮想通貨もあります。
発行上限枚数が決まっている仮想通貨は、一定のブロック数ごとにマイニング(採掘)される量も決められています。発行が開始されて間もない時期はどんどん新規発行されていきますが、その暗号資産(仮想通貨)が広く知られるようになり、マイニングをする人の数が増えてくるとマイニングの報酬額が半分になる半減期という時期を迎え、マイニングをする人が減っていきます。
暗号資産(仮想通貨)は、早くしないと数年でなくなってしまうと言われることがありますが、そういったことはありません。確かに、半減期前後では、同じ期間で比較すると発行量は減りますが、発行される暗号資産(仮想通貨)の枚数は事前に決まっています。多少半減期の前倒しや発行量の調整があったとしても、あらかじめ決められた総発行量に至る時期まで発行は続きます。
暗号資産(仮想通貨)の発行量と現状市場に出回っている暗号資産(仮想通貨)の枚数はイコールではありません。暗号資産(仮想通貨)をプールしている口座(ウォレット)の紛失や、取引時の送金ミスなどを含むトラブル、所有者の死亡や失踪といった様々な理由がありますが、取引市場に出ることのない暗号資産(仮想通貨)が存在します。例えばビットコインの場合は、2017年時点で約400万枚が消失していると言われています。
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