リレー取引とは、仮想通貨市場における取引方法のひとつです。
支払いのトランザクション(取引)が、受取者だけでなくネットワーク上の全員に送られる形式の取引をさします。
仮想通貨市場のネットワークは主にP2P(ピア・ツー・ピア)という方式で行われています。
P2P方式とは、ネットワーク上にいるユーザー全員が順送りする形で取引情報を渡し続ける、いわばバケツリレー方式です。
全員が取引情報を渡していくので、基本的に送金者が受取者に直接仮想通貨を送ることはできません。
リレー取引にはP2P方式のほかに、中央サーバが仲介する方式もあります。
P2P方式の場合、ネットワークの一部が寸断されたとしても取引全体が停止することがないというメリットがあります。
仮想通貨がリレー取引で行われる背景には、仮想通貨独特の発行形式にあります。
円やドルといった法定通貨は、中央銀行が紙幣や硬貨といった形で通貨を発行し管理していますが、仮想通貨の場合はこの中央銀行にあたる存在がありません。
発行主体は存在せず、マイナー(採掘者)が超高速で稼働する大量のパソコンを使用して仮想通貨をマイニング(採掘)する形で新規発行されていきます。
イメージとしては発行されるというよりも発生するというのが近いでしょう。
こうして手にした仮想通貨を使って取引を行う場合、送金者から受取者へP2Pネットワークを使って仮想通貨が送金されます。
その支払い情報は世界中に広がっているP2Pネットワークの接続部分(ノード)へと伝わります。
まず、送金者からもっとも近いノードに伝わり、その後はノードからノードへとバケツリレー形式で伝わっていきます。
オフラインになっているノードがあったとしても、再接続した際にそれまでの取引情報がまとめて送信されるため、情報を受信しないということはありません。
つまり、ユーザー全員がすべての取引情報を共有しているという状況です。
法定通貨のように発行元が発行や管理を行う場合は管理権限が一点に集中しているため、不正が起こりやすいとも言えます。
しかし、仮想通貨によるリレー取引の場合は支払い情報をユーザー全員で共有しているため、もし不正をしようとしてもそのノードすべての情報を書き換えるということは膨大な作業量が発生します。
何より世界中に広がるノードを書き換えるということ自体、実質的に不可能です
こうしたことから、仮想通貨市場はリレー取引を行うことで取引情報の正常性を保証していると言えるでしょう。
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