スケーラビリティ問題とは、仮想通貨が取引通貨として使用される場面が増えることで、データ処理が追い付かなくなってしまう問題のことです。特にビットコインにおいて顕著で、問題視されています。
現に、ビットコインの日々の取引件数が増えるにつれて、未処理のトランザクションも急増しています。
その原因は、ビットコインの信頼性を支えるブロックチェーンにあります。2018年1月現在、ブロックチェーンを構成する各ブロックは最大1MBとされていますが、この容量が現在の取引量からすると小さいことが、トランザクションの未処理につながっています。
ビットコインの取引処理件数は1秒あたり3~4件ですが、クレジットカードの決済は1秒で1,000件を軽く超えるスピードで処理が行われています。このままの仕組みでは、ビットコインのスケーラビリティ問題はさらに深刻になるでしょう。
2017年11月から、ブロックサイズを最大2MBにする予定でしたが、合意不十分のため、ブロックサイズの上限引き上げは一旦停止されています。
その理由は、ビットコインは、誰もがマイニング(取引の処理をすること)が可能で、中央集権的な組織によって管理されるものではないという特性にあります。ブロックを大きくすれば、未処理のトランザクションを減らすことが可能です。しかし、マイニングするためには、巨大化したブロックチェーンのすべてを保存できる大容量の端末を用意しなければならなくなります。
すると、大きな資金力を持った大型端末を用意できる人・組織のみしかマイニングに参加できなくなってしまい、ビットコイン本来の「中央集権的組織がない」という特性を失ってしまいます。
このような一部の権力者が強い力を持つことを避けるために、ブロックサイズの上限引き上げは実装できていない状況です。
スケーラビリティ問題は、一見するとビットコインの利用者側には関係のない技術的な問題のように感じられるかもしれません。しかし、未処理トランザクションが増えることで、送金に時間がかかる、送金の承認がなされない、取引手数料の高騰などといった問題につながります。
なぜ、スケーラビリティ問題が取引手数料の高騰につながるのでしょうか。
それは、各トランザクションに、マイニングに対する報酬(手数料)が個別に設定されているためです。マイニング参加者は、報酬が高いトランザクションから処理します。
未処理になると困る取引所などは送金を確実に行えるようにするため、報酬を引き上げて取引の確実性を担保しようとします。そして、その分のコストを取引手数料に加算せざるを得なくなります。
取引に使われる件数が急増するビットコインでは、スケーラビリティ問題が解決されない限り、取引手数料が高騰し続ける可能性が高いと考えられています。
QUOINE株式会社
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