シャーディングとは、検証ノードをランダムに分割して、トランザクション処理能力を向上させる技術のことです。
イーサリアムでは、仮想通貨のスケーラビリティ問題を解決することを目的として、シャーディングを開発しています。イーサリアムとは、分散型プラットフォームを提供する、時価総額第2位の仮想通貨のプロジェクトのことです。
送金遅延や取引手数料の増加といったスケーラビリティ問題の原因は、ユーザー数の増加によるトランザクション過多と、ノード数の増加によるノードそれぞれの処理能力の差が原因で起こります。
現在のイーサリアムのブロックチェーンは、すべてのトランザクションの検証作業を単一のノード群が処理しています。そのため、トランザクションが増えれば増えるほどブロックチェーンがトランザクションを処理しきれなくなり、送金遅延や手数料増加が起こります。
シャーディングを実装すると、ひとつにまとまった取引処理をシャード(ノード群を複数に分けたもの)ごとにランダムに分割します。
そして、シャードの処理能力に応じた役割を割り振ることで、従来よりも検証回数を減らすことが可能になり、ブロックチェーンネットワーク全体の処理能力を高めることができます。
イーサリアムはシャーディングと並行し、「キャスパー」というPoW(Proof of Work:仕事の証明)からPoS(Proof of Stake:掛け金の証明)へ変換するアルゴリズムの同時実装も目指しています。
イーサリアムはこのPoSを採用することで、データの処理速度の向上を目指しています。
現在、イーサリアムのブロックチェーンでは、PoWによってブロックが生成される仕組みです。しかし、PoWはマイナーの増加により、ハッシュレートや採掘難易度が上昇し、マイニングのために膨大な電力が必要となっています。
また、PoWでは1秒間に最大20回のトランザクションしか承認できず、処理能力に不安が残ります。
一方、PoSは、PoWのようにマイニングに膨大な電力を使用しないため、環境にやさしいアルゴリズムです。またPoSは、保有しているイーサリアムの量によってブロックの承認ができる仕組みのため、マイニングのような膨大な計算をする必要がなくなり、ブロックの生成時間も短くできます。
上記の理由から、シャーディング実装と同時にPoSを導入すると、イーサリアムの保有量に応じたノードの処理能力がわかるようになるため、シャードに役割を割り振るのも可能になるのです。
シャーディング開発のロードマップは、2018年3月に公開されています。近日中に簡略版シャーディングの「ルビー」を公開し、2018年後半にテストネット上で「サファイア」を実行できるようにする予定です。
最終的な目標は、2019年中に「ダイアモンド」をメインネット上で実行できるようにプロジェクトが進行中です。
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