シルクロードとは、2011年につくられた闇サイトのことです。
ダークウェブと呼ばれる、通常の検索エンジンが収集することのできないWeb上に構築されました。
開設以降爆発的に登録ユーザーが増え、閉鎖される2013年7月までの約2年半の間に約96万人の登録ユーザー数がいたと言われています。
シルクロードは「Tor(The Onion Router)」と呼ばれる特殊なブラウザでのみアクセスでき、登録ユーザーがIPアドレスを秘匿して売買取引ができるという違法な物品も取り扱う売買サイトでした。
銃、ヘロインやマリファナ・コカインなどの禁止薬物、不正取得の上流出したクレジットカード情報、SNSのハッキング情報、人身売買などあらゆる違法な商品やサービスが取引されており、麻薬売買サイトとしては世界最大級の規模に急成長しました。
シルクロードにおける唯一の決算手段として使われたのが、仮想通貨の代表的存在であるビットコインです。
2013年10月、シルクロードの創設者とされるアメリカ人ロス・ウィリアム・ウルブリヒトがFBIに逮捕されたことを受けて、シルクロードは閉鎖されました。それと同時に、ウルブリヒトが保有していたとされる144,000BTC分のビットコインも回収されました。
これは当時のレートで約28億円と言われています。
回収された144,000BTC分のビットコインのうち、30,000BTC分は2014年にオークションにかけられ、投資家によって競り落とされました。
シルクロードの決済手段としてビットコインが使われた背景としては、ビットコインがもつ匿名性が挙げられています。
円やドルといった法定通貨を決済手段とした場合、送金者と受取者双方の金融機関の名前と支店や口座の番号、口座名義人の名前といった個人情報が開示されます。闇サイトでの不正な取引を行うにはかなりリスクのある決済手段です。
しかし、ビットコインの場合はネットワーク上で取引ができるという特性があるため、送金者も受取者も個人情報を開示する必要はありません。
さらに、ビットコインの取引の場であるP2Pネットワークは、一般の通信システムのように特定のIPアドレスを使わないため、個人とアドレスをつなぐ情報が生まれません。
ランダムな英数字で構成されるビットコインアドレスを指定し、公開鍵と秘密鍵を用いれば取引ができる点や、送金が完了するまでの時間や手数料が少ない点も、闇サイトの決済手段として使いやすいと判断された理由とされています。
ウルブリヒトの逮捕によってシルクロードは閉鎖されましたが、その後もシルクロード2が開設されるなど、仮想通貨と匿名通信システムを組み合わせて運営される闇サイトは存在しています。
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