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仮想通貨市場で見る新型コロナウイルスと不況の関係

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皆さんこんにちは。株式会社クリプタクトの斎藤です。

新型コロナウイルスの流行によりマーケット全体も混乱しており、少なからず暗号資産も乱高下を繰り返しております。また、最近では今後コロナ不況に陥る、あるいはリーマンショックの再来かという声も聞こえ始め、健康面の不安だけでなく経済全体の不安も蔓延してきております。

今回のコラムでは、想定されているコロナ不況や不況の本質を考えながら、そこからくる仮想通貨市場への考察をしたいと思います。なお、本コラムは229日にnoteにて公開した私の記事(https://note.com/gakusaito/n/n27c552be6297)をベースに追記・修正したものとなります。

 

コロナ不況とリーマンショックの違い 

今後くる可能性のあるコロナ不況とリーマンショックは全く違うタイプの不況と考えられます。

 

景気というのは、1.生産性と、2.レバレッジ(信用/借入)の増減で決まります。つまり不況になるとは、生産性の低下や低成長とレバレッジの減退を意味します。

中長期では生産性の要素が大きくなる一方、信用創造の高度に発達した国では、短期的には(場合によっては中長期でも)レバレッジの減退による影響が圧倒的に大きいです。

 

今回のコロナ騒動、珍しく1.が全てです。厳密には生産性が徐々に低下してきたのではなく、そもそもわざと停止させたことで生じています。

生産性の変動や成長率は普通狙ってできるものではありません。しかし、ある意味唯一できるコントロールが生産活動の停止です。スイッチのオンとオフ、をイメージしていただければと思います。

 

現時点で起きていることは、コロナの実害により自然に不況になっている、ではなく、スイッチオフにすることで自らそこに持っていっている途中であり、そのうち「必ず自己実現できる」タイプの不況です。逆にスイッチオンにすれば元に戻れる、という話ですね。

 

一方、レバレッジの減退による不況は全く違います。レバレッジはシクリカルなので減退が始まればすぐに回復しません。金融危機クラスの長期シクリカルの場合、不況とかそういう次元ではなく、もはやどう着地させるかで物々交換になるかならないかが決まるくらいの話です。

 

これがリーマンショックでした。あの時はクレジット市場(信用/借入市場)も暴落し、むしろクレジットこそ売られました。今回は売られてないというより、クレジットが買われています。

 

株式市場よりはるかに巨大なクレジット市場。それが崩壊していたリーマンショックと比較して、足元のコロナ騒動は感覚丸二個くらい影響が違います。

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今回、生産活動のスイッチを自らオフにした先進国はまだ日本くらいですが、オフが続けばレバレッジ減退を必ず招くでしょう。さていつまでオフにし続けられるか。リーマンショックの時は、当初モラルハザードを主張し毅然とした態度をとっていた米国政府は、耐えられず2週間で救済決定しました。

 

今回のコロナ不況はレバレッジの話と異なり、スイッチオンにすれば急な回復も見込めるという、珍しいタイプの不況です。とはいえ、長引けば失うものも雪だるま式に増えますし、先にレバレッジ減退を招くと本格的な不況に陥る可能性があります。この辺りのタイムリミットまでにコロナが収束できるか否かが、経済全体としては分かれ目になろうかと考えております。

 

暗号資産と不況の関係

さて、こういった不況の概念を踏まえたうえで、仮想通貨には果たしてどのような効果があるか考えてみたいと思います。

 

暗号資産は安全資産、という話を聞いたことがあるかもしれません。本当に安全資産かどうかはともかくとして、最近では金の代替商品として位置づける見方もさらに増えてきており、何らかの危機時には暗号資産が買われる、という印象がさらに強まっています。

 

それでは、この「暗号資産=安全資産」とはどういった背景からくるものでしょうか。これは大きく分けて二つのポイントから来ています。

 

  1. 発行枚数が決められていて、かつ特定の事業、組織、団体に関係していないこと
  2. 実体経済との結びつきが大きくないこと

 

1のポイントは、ほぼ金を想定するとわかりやすいかと思います。ビットコインは発行枚数に上限があり、またその発行スケジュールが定められているので、価値の希薄化が招きにくいと考えられています。金は採掘量に上限やスケジュールがあるわけでもないですが、無限にあるわけではないことは間違いなく、また希少性が高いため採掘量もそう多くないことが長年の経験を通してわかっています。

またビットコインは分散型通貨と呼ばれている通り、特定の政府や企業、あるいは集団に属した通貨ではないため、そういった特定の団体の存在に頼っていません。金も同じですね。広く人々から支持されている金属ですが、特定の誰かが発行したら所有したり、もっと言えば金の価値の源泉が、特定の誰かによって成り立っているということはないかと思います。

こういった性質のものは、戦争であったり、昨今の疾病であったり、何らかの危機において安全資産として位置付けられやすい特徴を兼ね備えています。なぜなら、国同士が戦争すると国自体が消滅するかもしれないリスクを感じますが、例え国が消滅しても残るものとして、金のようなものが考えられるからです。

 

一方で、2についてはどうでしょうか。今回の不況に関係する話ですが、経済的な事情からくる危機についても、その経済との結びつきの薄い資産というものは一般的にその危機に対して耐性が強いと考えられます。ビットコインについても、これがいいことかどうかはさておき、実体経済に深く結びついているとは現状まだ言い難く、それによって経済が悪化する局面においても本質的には無関係であると言えます。無関係であるということが危機に強い、というとやや皮肉めいて聞こえるかもしれませんが、これは特徴の1つでもあり、こういった事情からビットコインは危機に対して強いと考えられています。

 

コロナ相場と暗号資産への影響 

今回くると考えられているコロナ不況は、現時点では本格的な不況入りが確定したわけでもなく、場合によっては回避することもできるタイプの不況です。

個人的には危機時の逃避先としてのビットコイン、というのは一定程度考えられるシナリオではあるものの、そこで想定される危機とは戦争やあるいはリーマンショックのような現金が蒸発していくようなタイプの究極的な危機の話であり、今見えているコロナ不況ではそこまで強い動きは起きにくいと考えています。

そのため今回のコロナ不況自体がビットコイン相場の押し上げ要因になるのは、まだ時期尚早であると考えており、あまり考えたくないことですが、コロナがもっと流行して世界的な危機、これは経済だけではなく社会的な意味も含めてですが、が生じてからかと考えています。

むしろ、コロナ対策のための生産活動縮小が、例えばマイニングのハッシュパワーの減退などを招くことで、ビットコインの本質的な部分でマイナスになることもあり、現時点でのコロナ相場は暗号資産に対して明確なトレンド(上にも下にも)を提供するものではないと考えています。

 

次回のテーマは未定ですが、定期的に相場であったり、暗号資産に関することを執筆したいと思います。

 

 

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《会社概要》
株式会社クリプタクト
 
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2018年1月設立。創業メンバーの3人はゴールドマン・サックスにて、ヘッジファンドの運用や金融システムの開発を経験。2019年10月にはジャフコ、マネーフォワードなどから計3.3億円の調達を実施。

 

※本記事はコインタックス株式会社の監修を受けています。

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パートナー税理士法人と暗号資産(仮想通貨)投資を行う上で、ハードルとなる税務周りの問題の解決を主に行っている。確定申告サポートから、税務調査や暗号資産の相続に至るまで幅広いサービスを提供。

 

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執筆者

斎藤 岳

株式会社クリプタクト代表取締役 Co-CEO。新卒でゴールドマン・サックスに入社してから計12年間、株、債券、為替など流動性のある資産から、不良債権、船舶、不動産など、幅広く投資・運用を経験。クリプタクトは投資支援プラットフォームであるCryptactを運営。仮想通貨の自動損益計算サービスを皮切りに、投資において役立つITツール開発に注力。前職での投資経験を活かして、レポートやコラムも多数執筆。Twitter:@Cryptact_gaku

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