分散型台帳技術(DLT)とはなにか

分散型台帳とは、地理的に別々のエリアにあるネットワーク間で共有されるデータベースのことです。台帳の定義は元来、会計的な勘定の集まりを意味していましたが、分散型台帳の発明により、新しい形になりました。
台帳の概念自体は、何千年も昔から存在しています。
当初、これらの記録は粘土で書かれていた可能性があり、時間が経つにつれてこれらは紙に進化し、その後、デジタルな分散型台帳技術(DLT)の誕生に至るまで進歩してきました。
この文脈での「分散型」とは、グローバルに広がり、複数の当事者によって管理されることを意味します。つまり分散型台帳とは、さまざまな場所にいる複数の個人によって保持および更新されるデータベースのことを指しています。データベースは、正確性を保証するためにネットワーク間で同期されます。以前は、台帳というと会計記録を意味していました。
分散型台帳技術により、このデータベースの範囲は大幅に拡大しました。現在、分散型台帳は単にデータベースを意味し、そこに含まれる内容については示していません。この革新的なデータベースのユースケース(活用事例)は非常に多いのです。
分散型台帳の利点
分散型台帳の主な利点は、安全性、透明性、不可逆性、および改ざん防止性に優れていることです。一方、このデータベースへの記帳は、第三者機関を介さずに行うことができます。
分散型台帳は、正しく設定されていれば恣意的な変更ができません。つまり、一旦この台帳に記録されると第三者が変更することはほぼ不可能です。
DLTでは、様々な分野において応用が期待されており、また応用方法によっては大きな利益をもたらします。たとえば、サプライチェーン業界では、第三者機関を介さずにブロックチェーン上に記録できるため、時間やコスト、および労力を大幅に節約できます。
分散型台帳は、悪意ある行動の標的となる中央管理体(主体)がなく、世界中にデータベースが広がっているため、攻撃することは困難です。
また、透明性もDLTの大きな利点です。
分散型台帳を使用すると、格納されているすべての情報をいつでも自由に閲覧可能です。これにより、さまざまな業界で重要となる「透明性」が担保されます。
分散型台帳はどのように機能するのか
分散型台帳データベースは、ノードと呼ばれる個人によって、保持、制御、および更新されます。
各ノードは、ネットワーク上で発生する全トランザクション(取引)を独立処理し、データベースの進行について自らの結論を出すことによって、データベースを構築します。
すべてのノードがトランザクションに基づくデータベースへの変更に関して投票し、過半数が新しいトランザクションに同意すると、その変更がデータベースに書き込まれます。
その後すべてのノードがデータベースを更新するため、すべてのノードは同じになります。トランザクションは、ブロックチェーン上の新しいブロックに書き込まれます。過半数とは、ノードの「51%以上」を意味し、データベースへの入力を覆す権限を持つ中央体はありません。
ノードは、Proof-of-Work(PoW)型のブロックチェーンの場合、「マイナー(採掘者)」とも呼ばれます。マイナーは、トランザクションを新しいブロックとして入れることに成功したときに報酬を受け取ることが出来ます。
マイナーになるには、専用のコンピューター電力が必要です。マイナーは、新しいブロックとなる暗号ハッシュを計算するように働かなければなりません。正しいハッシュを見つけることに成功した最初のマイナーが、報酬を受け取ります。
ハッシュパワー(計算能力)が高ければ高いほど、マイナーとして成功する可能性が高くなります。マイニングは進行するにつれ、より難易度が上がっていきます。成功したブロックが生成されるたびに、次のハッシュを見つけるのが難しくなるように設計されています。これは、ブロックの生成速度を一定に保つためです。
暗号資産、およびマイニング人気が高まっている現在、競争は激化しています。
利益を上げることを望むならば、新しいマイナーは専用のマイニングリグ(機材)の設定に、最低でも1,000ドル(11万円)以上を費やす必要があるでしょう。他の小規模な暗号資産でも、競争率が低いとはいえ、やはり初期投資額は増加傾向にあります。
マイナーは、365日24時間、最新鋭のマシンを稼働させるのに必要となる、高い電力を確保する必要があります。
分散型台帳技術のユースケース
分散型台帳の性質は、さまざまな業界に応用することが出来、既存のプロセスを改善するために活用されます。
最もよく知られているユースケースの1つに金融分野があります。
暗号資産と分散型台帳技術を活用することにより、国境を越えた支払いや、第三者機関の仲介を必要としない取引を実行するなど、金融分野での業務効率の改善が期待できます。P2P(ピアツーピア)の貸付も、スマートコントラクトを活用して容易になります。
また分散型台帳は、選挙などで透明かつ公正な投票を可能にします。投票は安全に記録され、第三者のチェックを可能にします。
分散型台帳は、製品の所有権と正当性を証明するためにも使用できます。製品は製造段階からタグ付けすることができ、そこから正当な流通経路をたどる中で、取引を台帳に記録することができ、製品の正当な所有者および正当性を確認することができます。
食品業界も分散型台帳を活用します。ここでは農場から店舗の陳列棚まで食品の流通経路をたどることができます。これにより、顧客は食品の生産地を確認したり、有機食品であることを確認することができます。
そのほか、DLTはサプライチェーン分野での商品の追跡を可能にします。
対象の商品が流通段階を経るごとに、スキャンすることができ、それにより取引が台帳に書き込まれます。
温度や湿度などの特定の要素を監視するために、センサーを設置することもできます。台帳は輸送中に適切なレベルに維持されているかどうかを示し、その製品が使用可能であることを証明します。
メジャーな分散型台帳
最も人気の高い分散型台帳は、ビットコインです。
ビットコインは、ユーザーが取消不能な支払いを送信することを可能にする、P2Pの支払いネットワークです。
イーサリアムも、非常にポピュラーな分散型台帳だと言えるでしょう。開発者がイーサリアムブロックチェーン上に独自のアプリケーションを作成できるため、またスマートコントラクトを導入したことにより、人気が高まっています。
Ripple(リップル)の分散型台帳は、支払い面、特に国境を超えた決済に焦点を絞ったオープンソースの分散型台帳です。 もともとは、銀行向けに設計されました。
ハイパーレジャーとは何か
ハイパーレジャーは、オープンソースのコミュニティ主導のプラットフォームであり、業界横断的なブロックチェーン技術の進歩を推進しています。
ハイパーレジャーは、Linux Foundationによって運営されており、暗号資産ではなく、ブロックチェーン技術に主眼を置いています。
ハイパーレジャーは、ブロックチェーン技術の革命的な特徴を前面に出し、メジャーな産業を再構成すること(ディスラプトすること)を目標に開発を進めています。
ハイパーレジャーは、透明性、不可逆性、およびセキュリティなどのブロックチェーン技術の長所に焦点を当てています。Linux Foundationは、ハイパーレジャーを使用して開発者を動員し、ブロックチェーン上でフレームワークを構築しようとしています。
ハイパーレジャーは飛躍的な成長を遂げ、現在では数多くの優秀な人材を擁しています。 ハイパーレジャーにオープンソースのアプローチを使用することで、ブロックチェーン以外の部分でも透明性を広げることができ、開発の寿命を延ばそうと試みています。
安全で規制遵守のLiquidにて仮想通貨/暗号資産取引をする
QUOINE株式会社
仮想通貨交換業者 関東財務局長 第00002号
加入協会: 一般社団法人日本仮想通貨交換業協会/ 一般社団法人日本仮想通貨ビジネス協会/一般社団法人Fintech協会
お問い合わせ: support_jp@quoine.com
仮想通貨の取引を行う際には、以下の注意点にご留意ください。
- 仮想通貨は「法定通貨」ではありません。インターネット上でやりとりされる電子データです。
- 仮想通貨は価格が急落したり、ネットワークに問題が発生して突然無価値になってしまうなど、損失を被る可能性があります。また、価格変動の他に流動性・システム等の様々なリスクが存在します。各種規約・取引ルール等の内容をよくご理解いただき、ご自身の責任と判断で取引を行ってください。加えて、レバレッジ取引の場合は、必要証拠金の計算方法、証拠金率等レバレッジ取引の仕組みや、預託した証拠金を上回る損失が発生する可能性等特有のリスク等をよくご理解した上で取引を行ってください。
- 各取引の種類等に応じて所定の手数料をご負担いただく場合があります。
このブログを定期購読する
ブログを定期購読して、
最新情報をチェックしましょう。
執筆者
Liquid編集部
Liquidに関する様々な情報をお知らせします。