スマートコントラクトを宇宙探査機に
イーサリアムのブロックチェーンには、「スマートコントラクト」という技術が使われています。スマートコントラクトは、契約を自動で履行してくれるシステムで、ほかの仮想通貨にはない、イーサリアム独自のシステムです。
NASAは、このスマートコントラクトを宇宙探査機に活用する研究を行うことを発表しました。研究は、アクロン大学のジン・ウェイ・コチシュ氏主導で進められ、3年間で33万ドル(日本円でおよそ3,500万円)の支援を行う予定です。
NASAの高度通信プログラムマネージャーであるトーマス・カクプラ氏は「宇宙でブロックチェーンを活用する初の試みだ。次世代の宇宙ネットワークにつながる技術になる」と述べています。
スマートコントラクトを搭載した宇宙探査機が、いつ導入されるのかは明らかにされていません。しかし、これからの宇宙探査に革命をもたらす技術として、注目が集まっています。
スマートコントラクトを利用すると何ができる?
今回NASAが研究を進める目的は、宇宙探査機にスマートコントラクトの技術を組み込むことで、宇宙探査機が自ら宇宙ゴミを回避し、より安全に宇宙探査を行えるようにすることです。
宇宙には多くの障害物が不規則に漂っています。現在の宇宙探査機は、そうした宇宙ゴミを回避する際、まず地球に障害物があることを知らせ、次に地球側で避けるルートを決め、それに従ったルートを使って、宇宙ゴミを回避しています。
しかし、この方法では、地球側で回避するルートを決めなければなりません。また、遠い場所にある宇宙探査機の場合、地球側と宇宙探査機側の信号にタイムラグが生じて、宇宙ゴミと衝突してしまうケースもありました。
そこで、NASAは契約を自動履行するスマートコントラクトの技術を使い、宇宙探査機が自分で宇宙ゴミを回避するシステムを開発できないかと考えたのです。
宇宙探査機が自分で宇宙ゴミを回避できるようになれば、ルートを作る手間を省くことができ、タイムラグによる衝突の可能性もなくなります。危険予測とその回避を自動化することによって、NASAでは分析に人手と時間を割くことができるようになります。
また、スマートコントラクトを宇宙探査機に導入することによって、データの収集やより遠い宇宙空間の探索もできるとされています。
さらに、システムに不具合が起きても、スマートコントラクトがあれば、早急な回復が可能です。
このプロジェクトを進めるコチシュ氏は「スマートコントラクトの活用によって、宇宙探査における多く問題を自動的に解決したい」と述べています。
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