ビットコインの電力消費量が拡大中
2018年5月、ビットコインの電力消費量が、2018年末に世界で必要とされる電力の0.5%に達する見込みだと報じられました。2017年11月の時点で、ビットコインの電力消費量は、世界で必要とされる電力の0.13%を占めていると発表されましたが、仮想通貨ブームにより、1年間で大きく数値を上げる結果となりました。この電力は、オーストリア一国が消費する電力に相当します。
ビットコインの電力消費量が増えている原因は、主に採掘(マイニング)によるものといわれています。
マイニングはビットコインの膨大な取引情報の承認や確認に協力することで、謝礼として新しくビットコインを発行してもらえるシステムです。しかし、マイニングはずっと膨大な量の確認をし続けなくてはならないため、スペックの高いコンピュータが複数必要で、同時に非常に多くの電力を使い続けます。今回の電力消費量の多さは、マイニングによる消費電力量が増えたためと考えられています。
2017年11月の発表では、ビットコインの電力消費量を実際の価格に換算すると、15億アメリカドルになるとされていました。しかしこの予想は、電力の安価な国でマイニングが行われることも想定した算出結果なので、実際にはこれ以上の価格になるといわれています。
消費電力が増えると起こる問題とは?
マイニングによる電力の消費で、もっとも関連の深い問題は環境問題です。
マイニングで使用する電気は、主に化石燃料を使った発電に頼っています。そのため、このままのペースで電力消費を進めると、化石燃料資源の枯渇につながるのではとの懸念があります。
化石燃料がこのまま活発に使用され続けると、世界各国で生態系が崩れたり、CO2による地球温暖化が加速したりする可能性もあり、トレーサビリティ問題とあわせて、ビットコインの大きな問題とされてきました。
現在、マイニングを規制している国は少ないですが、この問題がこれから世界的になるにつれ、マイニングを規制する国が出てくる可能性もあります。
こうした問題点を受けて、化石燃料ではなく、別の発電方法でビットコインのマイニングを行う動きも出てきています。
オーストリアの新興企業では、水力発電を使ったマイニングを実施すると発表しました。水力発電所に高性能のコンピュータを設置し、環境に優しく、安価でマイニングが可能になるとのことです。
こうした環境に優しいマイニング方法が生み出されることで、ビットコインの消費電力問題も解決されていくでしょう。
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