スマホを使って鍵を管理するアプリ「Ginco」が登場
2018年4月、フィンテックのスタートアップ企業・ギンコは、仮想通貨の秘密鍵管理アプリ「Ginco」の正規版をリリースしました。このアプリは仮想通貨のウォレットで管理される秘密鍵を、自分のスマートフォンの中に閉じ込め、高いセキュリティで厳重に鍵を保管するものです。
Gincoは、2018年の1月末に、1億5,000万円の資金を調達して開発されました。iOSで利用でき、2018年7月現在、ビットコインやイーサリアムなどの14の仮想通貨に対応するほか、2018年中にはリップルも取扱う予定です。
また、Android版のリリースや、2019年内には法定通貨からの入金にも対応できるよう準備が進められており、今後ますます幅を広げていくことが期待されています。
ギンコの森川夢佑斗社長は、「交換所は売買をするための場所で、ウォレットを置いたままにする場所ではない。秘密鍵を初心者でも簡単に管理できるように変えていく必要がある」と語っています。
Gincoの特徴とは?
Gincoの最大の特徴は、クライアント型ウォレットを採用した、高いセキュリティ機能です。クライアント型ウォレットとは、オンラインウォレットに依存せず、自分のスマートフォンだけで秘密鍵を管理するものです。
秘密鍵を収納しているウォレットは、交換所の提供するオンラインウォレットを使用すれば、簡単に取引ができます。しかし、常にオンライン上に秘密鍵が存在することになるため、ハッカーに秘密鍵の情報を盗まれてしまった場合には、仮想通貨が盗まれてしまう可能性があり、実際に秘密鍵が盗まれて仮想通貨が流出した事件も起こっています。
こういったハッキングトラブルを防ぐためには、秘密鍵をオンラインと切り離してハードウェアウォレットなどで管理しなければなりません。しかし、PINコードやハードウェアそのものを注意深く管理する必要があり、オンラインウォレットよりも管理に手間がかかります。
また、中古品のハードウェアウォレットの中に不正なプログラムが仕込まれている場合があり、こうしたウォレットを利用すると、仮想通貨が盗まれる危険性があります。
このように、ハードウォレット・オンラインウォレットのどちらも一長一短がありますが、Gincoではオンラインウォレット、ハードウェアウォレット双方のデメリットを解決したシステムを実現しました。
独自の暗号方式による高水準のセキュリティを備え、シンプルなインターフェイスで操作も非常に簡単です。また、口座開設に印鑑や通帳がいらないほか、複数の仮想通貨に対応していて、一元管理も簡単にできます。
このように、Gincoはハッカーが仮想通貨を盗み出しにくい、さまざまな工夫がされていますが、そもそもハッカーにとっては個人の秘密鍵を狙うよりも、交換所に預けている秘密鍵を盗み出した方が、大量の仮想通貨を盗めるため、オンラインから切り離した時点で、秘密鍵を盗む必要性はあまりないのです。
仮想通貨の流出・損失事件が続く中、秘密鍵を「預ける」から「所有する」という考え方に変えた、画期的なウォレットです。
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