1.IBMが支援する新仮想通貨「Stronghold USD」が発行
2018年7月17日、IBMが支援する新しい仮想通貨「Stronghold USD」が発行されることが発表されました。
Stronghold USDは、アメリカの法定通貨であるアメリカドルと連動した仮想通貨(ステーブルコイン)で、ステラ(XLM)の技術が基盤となっています。この発表によって、ステラは大きく値上がりし、一時期20%以上も価格が上昇しました。
Stronghold USDを発行するのは、フィンテック関連企業のStronghold社です。
同社が仮想通貨を発行し、それをIBMがプラットフォーム上でテストする業務提携を結んでいます。
IBMは今回の技術基盤を作ったステラと業務提携を結んでいるほか、ブロックチェーン技術を使った技術開発にも力を入れており、近年仮想通貨業界への進出が目覚ましい企業です。
IBMは「仮想通貨を日常的に使われる通貨にしたい。リアルタイムでのあらゆる支払いを可能にする新デジタル通貨を作る。これは、我々の目指すトークンエコノミーへの布石でもある」と述べ、Stronghold USDがこれまでとは違う仮想通貨であることを強調しました。
2.「Stronghold USD」はどんな仮想通貨?
Stronghold USDは前述したとおり、アメリカドルの相場と連動している仮想通貨、いわゆるペッグ通貨です。アメリカドルと連動している仮想通貨には、すでにテザー(USDT)がありますが、テザーは準備金が十分に用意されていなかったのではないかとされ、信用性が低下しています。
Stronghold USDは、そうしたテザーの不安部分を解消し、価格が安定すると期待されている仮想通貨です。
Stronghold USDの安定性の理由は、預入をする銀行が信頼できることや、しっかりした保証が付いていることです。
まずStronghold USD を通じて集まった法定通貨は、FDIC(Federal Deposit Insurance Corporation:連邦保険預金公社)に加盟している銀行に預けられます。FDICは国の公社であり、管理もその銀行内のみで行われる仕組みです。
また、もし預入をしている銀行が破綻した場合には、25万ドル(約2,800万円)まで保証されます。預入の金額が大きい場合には、複数の加盟銀行を使うこともできるため、保証額以上の金額を所有している場合には、分散して預入することで、破綻した場合のリスクも軽減できます。
さらに、本人確認やマネーロンダリングが起きないためのチェックなど、仮想通貨ならではのリスクも回避できるよう、ルール作りがされています。
Stronghold USDは、現在法人向けのみの販売が予定されています。しかし、将来的には一般向けにも販売されると考えられており、これまでの仮想通貨の問題点だった価格の大幅な変化を回避できるとして注目されています。
今後のStronghold USDの動向に、目が離せません。
(本記事は2018年8月現在の情報です)
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