1.イギリスのモスクが行う仮想通貨による寄附が好調
2018年7月、イギリスのモスクが実施する仮想通貨による寄附が好調であることが報じられました。
寄附を募ったのはイーストロンドンのダルストンにあるシャックルウェルレーン・モスクです。シャックルウェルレーン・モスクでは、今年の5月に仮想通貨によるザカート(寄附)を受け入れると宣言し、ラマダンの期間中、1万7,443ポンド(日本円で約255万円)の寄附を集めることに成功しています。これは、当初の予定であった1万ポンド(日本円で約145万円)のおよそ1.7倍の金額です。
このうち、法定通貨による寄附は3,460ポンド(日本円で約50万円)だったのに対し、仮想通貨による寄附は1万3,983ポンド(日本円で約205万円)と、法定通貨による寄附の約4倍の金額に達しました。中には5,200ポンド(日本円で約76万円)以上の寄附を行った人もいるそうです。この費用は、モスクの修繕のほか、食料や避難所を必要とする人への支援、貧しい教徒の葬儀費用などに充てられます。
モスクのチェアマンは「最初は本当に寄附が集まるのか疑問だったが、大きな金額が集まって驚いている」と、予想外の寄附に驚きを見せています。
2.仮想通貨による寄附受け入れの経緯と将来性
シャックルウェルレーン・モスクが仮想通貨による寄附を受付けたのは、ロンドンに拠点を置く、イスラム関連の金融スタートアップ企業「Combo Innovation」の創設者・ゴーミット・シング氏の提案によるものです。
イスラム教では、一部の派閥がビットコインをイスラム法に反していると批判していました。しかし、世界共通の仮想通貨であれば、より多くの人から寄附を集めやすいことや、法定通貨への変換の手間や両替手数料などを省けるといった利便性から、今回の寄附の受付を決定しました。
寄附の予想外の増加も、仮想通貨による寄附を受付けることで、手間がなくなり、利便性が大きく上がったことが要因と考えられます。
仮想通貨による寄附は、現在世界中で始まっています。国を選ばない仮想通貨は、国内だけでなく、海外からも大きな寄附を見込めるのが特徴です。日本でもバイナンスから災害時の寄附として、100万を仮想通貨で受け取った事例があります。
シャックルウェルレーン・モスクで行った斬新な寄附の方法は、今後こうした施設が寄附を集める際の、ひとつのモデルロールとして、仮想通貨市場にも影響を与えるでしょう。提案を行ったシング氏も「これを先例として、新しい歳入の流れに利用してほしい」と述べています。
(本記事は2018年8月現在の情報です)
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