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ビットコインのマイニングに特化したASICって?メリット・デメリットや問題点

ビットコインの採掘(マイニング)は、もともと個人が所有する通常のパソコンでも行えました。

しかし、現在では一般的なCPU(Central Processing Unit:中央処理装置)を搭載したパソコンではマイニングが行えません。

ビットコインへの注目度が高まるごとに難易度を上げてきたマイニングですが、これから実行したいのであれば、より効率的に行える「ASIC(Application Specific Integrated Circuit:特定回路向け集積回路)」の導入が必須となります。

この記事では、ビットコインのマイニングを行うために開発されたASICについて解説します。

 

1 ビットコインマイニングでのASICとは?

ビットコインがまだ今のような人気を得ていなかった時代には、マイニングは一般的なパソコンでも問題なく行えました。これは、「CPUマイニング」と呼ばれています。

CPUマイニングのあと、マイニングの効率化のために GPU(Graphics Processing Unit:グラフィックス・プロセッシング・ユニット)マイニングが登場しました。

こちらも、道具さえ揃えれば誰でもマイニングができるという特徴を持っています。

ところが、GPUは電気代がかかりすぎるという欠点がありました。

そこで、さらに快適なマイニングができるものとして、FPGA(Field Programmable gate array:フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ)や、ASICなどの集積回路が誕生しました。

 

ASICは「特定の目的のために作られた回路」です。

カメラなどにも使われている回路ですが、マイニングに特化した回路が作られ、より効率的なマイニングが可能になりました。現在ではマイニング業界全体でASICを採用するのが主流とされています。

 

ASICは計算の一部を簡略化できるため、CPUやGPUに比べて計算コストを2~3割程度節約することができます。

ビットコインのマイニングでは、計算をもっとも早くできた人に取引承認作業の権利が与えられ、承認作業を行うとその報酬として新規発行のビットコインを受け取れます。

ASICはマイニングに特化した回路のため、ASICを導入することで新規発行のコインを得られる確率が格段にアップします。

ASICの普及はマイニングを行うマイナーたちに大きく貢献しましたが、仮想通貨業界の中では否定的な意見を持つ人も少なくありません。

 

2 【CPU/GPU/FPGA】との違い

前述しましたが、ASICが生まれるまでにはCPU、GPU、FPGAと回路は進化していきました。それぞれどのようなものなのか、詳しく説明します。

 

2.1 CPUについて

CPUは、パソコンを管理し情報を処理する装置です。

いうなれば、パソコンの「脳」にあたります。一般向けに販売されているパソコンに組み込まれているため、誰でも簡単に手に入れられます。

しかし、CPUはマイニングに特化したものではないため、これでは効率的なマイニングはできません。

 

2.2 GPUについて

CPUに続いて生まれたのが、GPUです。

CPUと異なる点は、CPUがパソコン全体を管理するのに対し、GPUは画像や動画といった情報を処理する能力に長けています。こちらも比較的容易に手に入れることができます。

GPUはCPUよりも計算処理が早く、マイニングにも適しており、一部の通貨では現在でもGPUによるマイニングが行われています。

 

2.3 FPGAについて

マイニングを行う回路として、GPUの次に利用されたのがFPGAです。

GPUよりも計算速度が速いマイニング用の回路を作り上げることができるのがFPGAの強みといえます。

FPGAは基本の集積回路をベースとして、利用目的に沿った内容に作り変えることができます。この回路はあとからプログラムの書き換えを行えるため、マイニングで利用しなくなっても、別の用途に再利用できます。

 

3 ビットコインのASICマイニングのメリット・デメリットは?

回路それぞれの特徴を見ていくと、効率的なマイニングを叶えるASICは、マイナーにとってよい選択肢であるように感じます。

しかし、ASICの利用にはメリットだけではなくいくつかのデメリットもあります。

ここからは、ASICのメリットとデメリットをご紹介します。

 

3.1 ASICのメリット

ASICマイニングのメリットは、マイニングのための計算に特化したマシンを使うため、効率的に仮想通貨を入手できる点にあります。

また、「いくら計算しても取引承認の権利を得られない」のであれば、パソコンは延々と無駄働きをしている状態です。

これでは、ランニングコスト以上の利益を得るのが難しく、マイニングを行う意味がなくなってしまいます。しかし、ASICならやり方次第でコスト以上のコインを得ることができるでしょう。

 

3.2 ASICのデメリット

デメリットとしては、ASICは特定のものにしか利用できない点が挙げられます。

マイニングの専用回路とした場合、マイニングをやめてしまうと、ほかのものには活用できなくなります。もし、企業単位で大規模なASICマイニングを行った場合、撤退したあとは膨大な量の廃棄物が生まれることになります。

「別の仮想通貨のマイニングに使用すればよいのではないか」という考えもありますが、ASICではそれもできません。

さらに、ASICマイニング用の機器は価格も高く、稼働中の音が大きいといったデメリットもあります。

総合的に見て、個人がASICを導入してマイニングを行うのは難しいといえます。

 

4 ASICをめぐる問題について

ASICマイニングは、さまざまな問題を生みました。

マイニングのためのメガファームを設立し、大量のASIC機器を可動させるマイナー集団が生まれてしまったのです。

それ以来、個人単位のマイニングは難しくなってしまい、マイニングは少数の企業にほぼ占拠されている状況です。

どうしても報酬が欲しいのであれば、「マイニングプール」と呼ばれるマイニングのためのグループに参加し、配当を得るしかありません。

これにより「マイニングが中央集権化している」という懸念があり、仮想通貨業界の中では「ASICによるマイニングはやめるべき」という声も出ています。

特定のユーザーがマイニングシェアの51%以上を占めてしまうことによって、不正取引が承認される可能性が出てきてしまうためです。過半数以上のシェアを持つマイナーが出てくれば、不正の是正もできなくなります。

 

こうした批判を受けて、仮想通貨の開発側も対策を講じ始めています。仮想通貨のマイニング機器を開発する企業が、ある仮想通貨のマイニング用ASICを発売したことに反発し、仮想通貨の開発側が緊急のハードフォークを行ったのです。

その仮想通貨は、マイニングを占拠するマイナーがいないことでネットワークの安全性を保っており、GPUを使ったマイニングが行われていました。ASICが導入されれば、ビットコインのように少数の企業がマイニングシェアを大きく有し、個人のマイナーが入り込む余地がなくなってしまいます。

 

開発側はマイニング専用のASICにより、マイニングが特定の企業によって占拠される可能性を考え、緊急のハードフォークを実施しました。また、ASICが入り込めないよう、年に2回のマイニングアルゴリズムの変更を行っています。

ASICによるマイニングは、マイナーが新規コインを獲得する重要な手段でもありますが、不正が行われる可能性も孕んでいます。安全かつ公正な仮想通貨取引ができるよう、開発側も地道な努力を続けています。

執筆者

Liquid編集部

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