ビットコインキャッシュとは?ビットコインと何が違うの?特徴や誕生した理由

「ビットコインキャッシュ(通貨コード:BCH)」とは、ビットコインから分裂して誕生した仮想通貨のことです。
もともと同じ通貨だったため、仕様は似ていますが、大きく違う点もあり、まったく別の通貨といえます。
ここでは、ビットコインキャッシュとビットコインの違いと特徴、誕生した経緯や理由を詳しく解説していきます。
1 ビットコインキャッシュとは?
ビットコインキャッシュ(Bitcoin Cash)とは、2017年8月1日に誕生した仮想通貨のひとつです。
通貨コードはBCHが一般的であり、QUOINEXでもBCHを採用していますが、一部の取引所やウォレットではBCCが使われることもあります。
ビットコインの時価総額には及びませんが、アルトコインの中ではかなり市場規模が大きい人気の仮想通貨です。
CoinMarketCapの時価総額ランキングでは、ビットコイン、イーサリアム、リップルに続いて4位に付けています。(2018年3月27日現在)
ビットコインキャッシュは、名前に「ビットコイン」が付いていることからもわかるように、ビットコインから派生して誕生した仮想通貨です。
ビットコインがハードフォーク(分裂)し、2017年8月1日に新しい仮想通貨として誕生しました。
ビットコインキャッシュは、金融庁が認可したホワイトリストにも掲載されています。
ビットコインが抱える問題点を改善するために誕生したコインであるため、ビットコインよりもビットコインキャッシュを支持する投資家もいるほどです。
分裂後は、「ビットコイン派かビットコインキャッシュ派か」という論争が続いています。
2 ビットコインキャッシュ誕生について
仮想通貨の代名詞ともいえるビットコインですが、ビットコインは以前から大きな問題を抱えていました。
それは、ブロックサイズが小さいために、決済や送金の処理に時間がかかることです。
これをビットコインのスケーラビリティ問題、または、トランザクション問題といいます。
これらを解決するためのひとつの方法として、新しい仮想通貨・ビットコインキャッシュが生まれました。
もともとは同じビットコインですが、特徴には大きな違いがあります。
そのため、ビットコインとは一線を画す、別の仮想通貨といってよいでしょう。
3 ビットコインとは何が違うの?
ここからは、ビットコインキャッシュとビットコインの違いを解説していきます。まずは、このふたつの違いを箇条書きにまとめてみました。
・ビットコインキャッシュ
総発行枚数 2100万枚
ブロック生成時間 約10分
ブロックサイズ 8MB(最大)
Segwit 未実装
開始年月 2017年8月
ブロック生成 PoW
・ビットコイン
総発行枚数 2100万枚
ブロック生成時間 約10分
ブロックサイズ 1MB
Segwit 実装
開始年月 2009年1月
ブロック生成 PoW
両者の大きな違いは3つあります。ブロックサイズの違い、理念・思想の違い、開発者・参加者の違いです。
3.1 ブロックサイズ(最大ブロック容量)の違い
ビットコインキャッシュとビットコインの大きな違いは、ブロックサイズの違いです。
ブロックサイズの大きさとは、ひとつのブロックに書き込めるトランザクションの容量のことです。前述のように、ビットコインにはブロックサイズが小さいという問題点がありました。ビットコインキャッシュはそれを解決するために生まれた仮想通貨で、ブロックサイズがビットコインに比べてかなり大きくなっています。
ちなみに現行のビットコインは、ブロックサイズを大きくしない代わりに「Segwit(セグウィット)」を実装することで、この問題を解決しようとしています。Segwitはビットコインキャッシュには実装されていません。
3.2 理念・思想の違い
分裂した多くの仮想通貨がそうであるように、ビットコインキャッシュとビットコインも理念や思想の違いから分裂した仮想通貨です。
ビットコインキャッシュにおける理念や思想の違いとは「採掘(マイニング)」を中心としたものでした。
ビットコインはスケーラビリティ問題を解決するために、ブロックのサイズを大きくするのではなく、取引サイズを圧縮してスピードを速くする改修案を出しました。
しかし、この改修案では一部のマイニングシステムが使えなくなるとされており、それにマイナー(採掘者)が反対をしたのです。
こうしたマイナーの意志を反映し、この改修案を導入しない仮想通貨として誕生したのが、ビットコインキャッシュです。
3.3 開発者・採掘(マイニング)参加者の違い
ビットコインはサトシ・ナカモトによる論文を元に、世界中の技術者たちが開発した仮想通貨です。しかし、ビットコインキャッシュはビットコインから分裂した新しい仮想通貨なので、開発者もマイニング参加者も異なります。
ビットコインキャッシュの開発者は、「ビットコインキャッシュこそ真のビットコインだ」という立場を取っているのに対し、現行のビットコイン開発者は「ビットコインキャッシュはビットコインになれない」という立場を取り、両者は分裂後も対立を続けています。
4 スケーラビリティ問題とは?
ビットコインキャッシュは、スケーラビリティ問題を解決するために新しく誕生した仮想通貨です。
このスケーラビリティ問題について、もう少し詳しく説明していきます。
前述したように、ビットコインはブロックサイズが1MBに限られています。
このブロックの中に、それぞれのビットコインの取引が記録されており、「誰のビットコインか」「どのくらいの量か」などの情報が書き込まれていきます。
しかし、ビットコインの取引量が増えたことにより、1MBのブロックサイズでは容量が足りなくなってきました。
ビットコインのデータ処理速度は従来の決済システムよりも遅いため、このままだと取引の遅延や停止が発生すると以前より懸念されていました。
これを解決するには、ブロックチェーンのブロックサイズを大きくするか、ブロックに書き込む取引(トランザクション)自体を小さくする必要があります。
このふたつのどちらの方法を採るかで、コア開発者とマイナーが対立しました。
結果、ビットコインはブロックに書き込む取引自体の容量を少なくする方法を採用し、ブロックサイズを大きくすることで、新しく誕生したのがビットコインキャッシュです。
4.1 Segwitとは?
2017年8月に、有効ブロックサイズを大きくしたビットコインキャッシュが生まれたのと同時に、ビットコインは「Segwit(セグウィット)」を実装しました。
これはビットコイン独自のシステムで、ビットコインキャッシュには実装されていません。
Segwitとは、取引自体のサイズを圧縮して容量を少なくする方法です。取引自体の容量が少なくなれば、それに反比例してブロックに書き込める情報量が増える仕組みです。
また、Segwitの実装により、署名をブロック容量内に納める必要がなくなりました。
今まで同じトランザクションの中に署名とデータが含まれていましたが、Segwit実装後は、ブロックにはデータのみ格納され、署名は別のwitnessという領域に保管されることになりました。
署名が別の領域に保存されることにより、電子証明データの書き換えなどで署名が改ざんされるのを防げます。最近ではSegwitウォレットサポートを実装したサービスも増え、Segwitの使用率も増えているようです。
ビットコインとは別の道を歩き出したビットコインキャッシュ。意見の対立により分裂したふたつの仮想通貨は、似ている部分もあれば異なる部分もあります。
しかし、ビットコインのデメリットを改善したのがビットコインキャッシュだと捉える投資家もおり、ビットコインキャッシュを支持する人も増えてきています。
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執筆者
Liquid編集部
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