仮想通貨リップル(Ripple)とは?特徴や将来性について分かりやすく解説

仮想通貨の「リップル(Ripple)」とは、リップル社が発行している国際送金に特化したアルトコインのことです。
2018年3月現在、時価総額3位を誇っており、仮想通貨の中でも非常に人気が高く、ホワイトリスト入りもしています。
リップルがほかの仮想通貨と比較してどんな特徴を持っているのか、国際送金はどんな仕組みなのか、さらに、リップルの将来性についても詳しく解説していきます。
この記事では、以下の点について解説しています。
1 リップルとは?
「リップル」は仮想通貨としての側面だけでなく、3つの意味を持っています。
ひとつめは、法人としてのリップル(Ripple, Inc.)で、仮想通貨のリップルを発行している会社の名前です。
ふたつめは、プロトコル・仕組みとしてのリップル(Ripple)で、リップル社が開発したグローバルな電子送金手段をさします。
2004年にスタートしたこの送金手段は、ブロックチェーンを使用しないため処理速度が非常に速く、即時送金が可能というメリットを持っています。
そして、2013年12月から発行された仮想通貨としてのリップル(XRP)があります。
この記事で説明するのは、主に仮想通貨としてのリップルです。
数ある仮想通貨の中でも特に人気の高い通貨であり、ビットコイン、イーサリアムに続いて、3位の時価総額を誇っています。
2 リップルの特徴
世界中の投資家からリップルが支持される理由として、次のような特徴を持っていることが挙げられます。
2.1 国際送金に特化している
リップルは国際送金に特化した仮想通貨です。新しい国際送金の形を目指して立ち上がったリップルのプロジェクトは、インターネット上で電子メールのように国際送金や決済を行うことを目指しています。
従来の国際送金の仕組みでは、高い送金手数料がかかり、取引完了までに数日かかるデメリットがありました。しかし、リップルのネットワークを使えば、低い手数料で即座に取引が完了します。
このリップルの仕組みには、大手の銀行やインフラ企業も興味を示しています。みずほフィナンシャルグループ、SBIホールディングスなどがリップルを使った送金の実証実験を行っているほか、Googleを含む多くの企業がリップルに出資しています。また、国際送金サービスの大手企業であるMoneyGramやUAE Exchange、Western Unionが次々とリップルとの提携を発表しています。
2.2 特定の管理者が存在する
仮想通貨リップルは、リップル社が発行している通貨で、リップル社が中央管理者として存在しています。この点が、ビットコインとの大きな違いです。
ビットコインの考え方は、非中央集権であることに重きを置いています。中央管理者が不在であるため、さまざまな意思決定は不特定多数の参加者によって行われます。
一方、リップルは、開発企業であるリップル社が管理者となっています。このことに対して「そもそも仮想通貨は管理者がないことが基本なのに、中央集権的ではないのか」と批判を受けることもありました。しかし、2018年2月にリップル社が公開した論文によると、リップルは今後分散化を目指し、アルゴリズムを改良していくとしています。
2.3 決済時間が短い
国際送金に特化したリップルは、決済時間が短いことにも定評があります。リップルの送金時間が高速である理由は、ブロックチェーンを使わないPoC(Proof of Consensus:プルーフ・オブ・コンセンサス)を採用し、取引データの書き込み場所を分散させているからです。
承認作業に約10分かかるビットコインに対して、リップルはたった4秒で送金が完了するといわれています。
3 リップルの仕組み
ここからは、リップルの送金システムの仕組みについて解説していきます。
3.1 ILP(Inter Ledger Protocol:インターレジャープロトコル)
「ILP(Inter Ledger Protocol:インターレジャープロトコル)」は、銀行やビットコインなどの異なる台帳を結び付けて、即座に決済できる仕組みのことです。ILPを介せば、通貨の違いを気にすることなく自由に決済・送金ができるようになります。
現在の通貨価値は、銀行や他の仮想通貨などがそれぞれ独立したプロトコルの中で存在しています。例えば日本で100円の価値があるボールペンを購入するには、日本円なら100円、アメリカドルなら93セント、ビットコインなら0.0001BTC、楽天ポイントなら100ポイントというように、それぞれでレートが違います。(2018年3月29日現在)
それぞれの枠組みの中で価値が証明されている通貨を、相互に繋げるのがILPです。繋げる条件は、プロトコル内に価値を記録した台帳(レジャー)があること、そして、価値移動(トランスファー)できることのふたつです。現状、ほとんどの支払いネットワークはこの条件を満たしているので、理論上ではほとんどのサービスがほかのレジャーに接続できることになっています。
ILPがあれば、簡単に価値移動ができます。例えば、日本にいるAさんが日本円1,000円を送金し、アメリカにいるBさんがそれをドルで受け取ったり、ビットコインで受け取ったり、楽天ポイントで受け取ったりということが可能になるのです。
3.2 XRP Ledger
リップルネットワークを支えるもうひとつの仕組みがXRP Ledgerです。リップルの決済時間の短さは、この仕組みに支えられています。
XRP Ledgerとは、一言でいうとリップルの分散型台帳のことです。ビットコインなどは、ブロックチェーンのブロックにトランザクション(取引データ)が保存されますが、リップルの場合はXRP Ledgerに記録されます。
リップルで行われた取引が正しいものか検証・承認する作業は、承認者(validator)による投票で行われ、承認者の80%がOKを出したときに記録される仕組みです。この仕組みは、PoCと呼ばれます。
PoCは、ビットコインのPoW(Proof of Work:プルーフ・オブ・ワーク)に比べて、大量の電力を消費せずに取引を承認することが可能です。そのため、わずか数秒という速さで決済ができます。
今まではこの承認者(validator)の選定はリップル社が行っていましたが、中央集権的であるという反対意見に対応するために、今後は第三者に分散させていくことが計画されています。
4 リップルの将来性は?
2018年に入り、仮想通貨の価格が乱高下しています。しかし、そんな中でも社会的に意義のあるプロジェクトにかかわる仮想通貨は、今後も伸びていくであろうと考えられています。
リップルが数多の仮想通貨の中で、3位の時価総額を誇るのも、リップルが単なる仮想通貨ではなく、それを支えるリップルのネットワークが評価されているためです。
2018年3月に入ってからも、スペインに拠点を置く銀行グループのサンタンデールが国際決済アプリをリリースすることが発表されたり、韓国のウリィ銀行がリップルを利用した国際送金業務を始めたというニュースが報告されたりしています。
今まで高い手数料と時間がかかっていた海外送金が、安く速く実行できるとあって、銀行や海外送金サービス会社がリップルを活用したがるのは自然な流れといえます。
社会的にも価値のある技術に下支えされたリップルは、今後も仮想通貨界で人気を保持していくと考えられます。
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執筆者
Liquid編集部
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