ブロックチェーンの「コンセンサスアルゴリズム」の種類や特徴を解説しています。

カテゴリ knowledge

ブロックチェーンの「コンセンサスアルゴリズム」の種類や特徴を解説しています。

ブロックチェーンにおける「コンセンサスアルゴリズム」とは、ブロックを承認して新しいブロックを生成するための合意形成の方法を指した言葉です。

具体的にいうと、そのブロック生成や承認を参加者の中の誰がどうやって行うのかについての方法ともいえます。

ここでは、代表的なコンセンサスアルゴリズムの種類や特徴、それぞれのメリットやデメリットについて解説していきます。

1 ブロックチェーンにおけるコンセンサスアルゴリズムとは?

ブロックチェーンにおける「コンセンサスアルゴリズム」とは、行われた取引が正しいかどうかの判断をどうやって合意(コンセンサス)するか、その方法や仕組み(アルゴリズム)を指します。

コンセンサス(consensus)とは「意見の一致」や「合意」という意味で、アルゴリズム(algorithm)は「算法」や「方法」を意味します。

中央管理者がいないP2Pネットワークで、台帳に記録されるデータの間違いや改ざんがないようにするためにはなんらかの方法で常に取引を監視し管理しなければなりません。

「この取引は正当」「これは不正」と振り分けて、ブロックに格納していく必要があります。その方法を、コンセンサスアルゴリズムといいます。

ブロックチェーンや仮想通貨ごとに、どのコンセンサスアルゴリズムが採用されているかが異なっており、PoW(Proof of Work:プルーフ・オブ・ワーク)、PoC(Proof of Consensus:プルーフ・オブ・コンセンサス)、PoS(Proof of Stake:プルーフ・オブ・ステーク)、PoI(Proof of Importance:プルーフ・オブ・インポータンス)などの種類があります。それぞれの方法について、その特徴やメリットとデメリットを解説していきます。 

2 コンセンサスアルゴリズムの種類と特徴について

2.1 PoW(プルーフ・オブ・ワーク)

2.1.1 PoW(プルーフ・オブ・ワーク)とは?

ビットコインの合意形成に使われているのが、PoWです。

このアルゴリズムは、新規ブロックが生成される際に、改ざんや二重使用などの間違いがないかをコンピューターの計算によって証明する仕組みです。

具体的には、計算によってナンスという値を見つけ、それを見つけた人が次のブロックを生成できます。

2.1.2 メリット

PoWのメリットは、膨大な計算が必要な採掘(マイニング)作業をネットワーク参加者に課すことです。これによって改ざんを困難にするため、改ざんのリスクが低く、このシステムを使ったブロックチェーン技術を仮想通貨以外にも応用するために、多くの企業によって研究されています。

2.1.3 デメリット

PoWの計算作業には膨大な計算処理が必要であり、承認作業を続けるには大量のコンピューターリソースと電気代が不可欠というデメリットがあります。

また、取引の承認には約10分かかるため、スケーラビリティ問題(送金詰まり)問題も頻繁に発生しています。

さらに、悪意を持った参加者がマイニングの約51%以上を掌握することで、改ざんが可能となる「51%問題」も抱えています。

2.2 PoC(プルーフ・オブ・コンセンサス)

2.2.1 PoC(プルーフ・オブ・コンセンサス)とは?

PoCは、リップル(XRP)の分散型台帳で採用されているコンセンサスアルゴリズムです。

PoCは誰でも取引承認できるわけではなく、あらかじめ承認者を特定のノードのみに限定し、その承認者たちの80%以上の合意が得られたときに取引が承認される仕組みです。

2.2.2 メリット

承認者が限られているため、承認スピードがPoWに比べてかなり速いというメリットがあります。そのため仮想通貨の送金のスピードも速くなります。

2.2.3 デメリット

検証作業が特定の参加者に限定されるため、本来の仮想通貨の在り方ではない、中央集権的だと批判を浴びることもあります。 

2.3 PoS(プルーフ・オブ・ステーク)

2.3.1 PoS(プルーフ・オブ・ステーク)とは?

PoSは直訳すると、「賭け金(stake)の証明」となります。

この場合の賭け金とは、どれだけコインを保有しているかで、コインの保有量が多ければ多いほど、ブロックを生成(ステーキング)できるようになります。

PoWは演算量が多いマイナーが優先してブロック生成できる仕組みですが、PoSは保有量によってブロック生成者が決まります。

イーサリアム(EHT)は現在、電力を多く消費するPoWを採用していますが、今後のハードフォークによりPoSに切り替えると発表しています。

2.3.2 メリット

PoWは演算量によって報酬が決まるため、ブロック生成には膨大な計算量が必要でした。しかし、PoSは保有量により報酬が決まるので、計算量は少なく、ブロック生成の時間も短くて済みます。

さらに、PoWのデメリットである、膨大な電力消費が必要ありません。また、51%攻撃を行うためには大量の仮想通貨を長期間保有し続ける必要があるので、51%攻撃のリスクもありません。

2.3.3 デメリット

長期保有した方が、報酬が多くもらえるためコインを保有し続ける参加者が増えて、流動性がなくなる可能性があります。

さらに、コインを多く持つ者が報酬を得られるため、富が集中し、貧富の差が広がるという懸念もあります。

また、PoSではコインを持ってさえいればブロック生成ができるため、不正なブロックが生成できてしまうというデメリットがあります。これは「Nothing at Stake」と呼ばれています。 

2.4 PoI(プルーフ・オブ・インポータンス)

2.4.1 PoI(プルーフ・オブ・インポータンス)とは?

PoIとは、「Importance(重要度)」が高い参加者の中からブロック生成者を決める仕組みです。重要度は、通貨の保有量や取引回数、取引量などの複数の指標から判断されます。

PoIは、PoWやPoSなどが抱えているデメリットを解消するブロックチェーンとして生まれ、ネム(NEM)で採用されているコンセンサスアルゴリズムです。

ちなみにPoWでいうマイニング作業は、PoIではハーベストと呼ばれます。

2.4.2 メリット

保有量だけでなく、取引回数や取引量などもブロック生成者の基準となるため、PoSのデメリットである「流動性の低さ」を改善しています。また、51%攻撃へのリスクも低いといわれています。

2.4.3 デメリット

重要度の指標によっては、参入障壁が高くなる可能性があるというデメリットがあります。例えばPoIを採用しているネム(NEM)では、最低でも1万NEMを保有していなければ証明作業(ハーベスト)が行えないという条件があります。

3 PoW・PoC・PoS・PoI比較一覧

最後に、ここまで説明してきたコンセンサスアルゴリズムの特徴やメリット・デメリットを表にまとめました。

 

コンセンサスアルゴリズムは、それぞれメリットやデメリットが異なります。特徴をきちんと理解して取引を行うことで、より効果的に仮想通貨を利用できるようになるでしょう。

投稿者

Liquid編集部