イーサリアムとイーサリアムクラシックの違いとは?ふたつの特徴や誕生の経緯

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イーサリアムとイーサリアムクラシック。どちらもアルトコインで、名前が良く似ています。

実は、イーサリアムとイーサリアムクラシックはもともと同じ仮想通貨で、ある事件をきっかけに分裂したものなのです。

今回は、もともと一緒だったイーサリアムが、イーサリアムとイーサリアムクラシックに分裂した経緯や両者の特徴、その違いについて解説していきます。 

1 イーサリアムとイーサリアムクラシックの違いは?

ビットコインに次ぐ時価総額2位の仮想通貨イーサリアム(ETH)はアルトコインで最も有名な仮想通貨といっても過言ではありません。

イーサリアムクラシック(ETC)もイーサリアムと同様に広く知られており、金融庁に登録済みの仮想通貨交換業者も取り扱っているアルトコインのひとつです。

イーサリアムとイーサリアムクラシックは「名前が似ているのだから、同じところから生まれているのだろう」「クラシックということは、イーサリアムの古いもの?」というイメージが強くあります。

そのイメージのとおり、イーサリアムはあるときに分裂し、それまでイーサリアムとして使用されていた通貨が「イーサリアムクラシック」として名前を変えて誕生しました。

ここからは、その経緯やそれぞれの特徴などを詳しく解説していきます。

2 イーサリアムクラシックとは?

イーサリアムクラシックとは?

「イーサリアムクラシック」は、名前のとおりイーサリアムから派生した新しいアルトコインです。

イーサリアムとイーサリアムクラシックは同じアルトコインでしたが、ある事件をきっかけに研究者の意見が対立してしまいました。

もともとのイーサリアムのブロックチェーンデータを活かしたものが「イーサリアムクラシック」に、ハードフォークと呼ばれる枝分かれをしたものが「イーサリアム」となりました。

イーサリアムとイーサリアムクラシックは、はじめは同じ通貨だったため、スマートコントラクトなどの基本的な機能に違いはありません。

ですが分裂して別の通貨となってからは、何度かの技術改善や仕様変更を経て、独自の道へと向かっています。

3 誕生の経緯

イーサリアムクラシックは、2016年6月に起きた「The DAO事件」がきっかけとなり誕生しました。これは、イーサリアムをベースとしたDAO(Decentralized Autonomous Organization:自律的分散組織)のひとつである「The DAO」から、資金として集めていた巨額のイーサリアムが不正に移動されてしまった事件です。

意図しないイーサリアムの移動をなかったことにするため、イーサリアムはハードフォークを実行しました。

これにより、不正な資金移動が起こる前に戻す施策が取られることとなりました。これは、不正に盗まれた通貨を使えないようにするための対策でもありました。 

しかし、この施策に反対する者もいました。

そもそもこの事件は、The DAO側のプログラムの脆弱性が原因で起きた事件です。

イーサリアム自体に問題があったわけではないのに、イーサリアムが介入するのはおかしいのではないかという声が挙がりました。

また、反対派の意見には「Code is Law」という考え方も大きく関係しています。

「Code is Law」とは「コード(書かれているプログラム)こそが法であり、すべてである」という考え方です。

これは仮想通貨の「中央集権性がなく、誰にもコントロールされない」という基礎概念に基づいています。

そのため、たとえ研究者の多数決合意があったとしても、コードを書き換えて通貨の移動をなかったことにする考えに反対したのです。

こうした考え方の違いから、反対派はもとのブロックチェーンをそのまま利用する「イーサリアムクラシック」を新たな仮想通貨としました。対して、ハードフォークされた通貨が「イーサリアム」となったのです。

こうして、The DAO事件の前に戻したイーサリアムと、もとのブロックチェーンをそのまま利用するイーサリアムクラシックが、別々の通貨として存在するようになりました。

4 イーサリアムとイーサリアムクラシックの特徴の違い

イーサリアムとイーサリアムクラシックの特徴の違い

もともとは全く同じだったふたつの通貨、イーサリアムとイーサリアムクラシックについて、ここからはそれぞれの特徴を解説します。

4.1 イーサリアムの特徴

イーサリアムは1,000種類以上もあるといわれている仮想通貨の中で、時価総額第2位を誇る仮想通貨です。

一時期リップルが躍進し、3位になった時期もありますが、すぐに2位を奪い返しています。現在は時価総額でリップルを大きく引き離し「第2のビットコイン」と呼ばれるまでに成長しています。

イーサリアムの特徴として、ユーザーが独自に定義した契約内容を記録しておける「スマートコントラクト」という機能を持っていることが挙げられます。これは、イーサリアム独自の機能で、イーサリアムが支持される最も大きな特徴といえるでしょう。

スマートコントラクトとは契約を自動化できるシステムのことで、あらかじめ設定した契約を自動で実行してくれる仕組みです。仲介者を介さずに取引プロセスを自動化できるので、決済期間を短縮したり不正を防止することが可能となり、コスト削減につながると期待されています。

このスマートコントラクトプログラムの記述は誰でも自由に行えるため、イーサリアムを用いて独自通貨を発行することも可能です。もともと同じ通貨であったイーサリアムクラシックも、上記とほぼ同じスマートコントラクト機能を持っています。

ビットコインと比べるとまだ少ないものの、イーサリアムを決済手段として使えるお店も国内に複数存在しており、仮想通貨第2位の地位を揺るぎないものにしています。 

4.2 イーサリアムクラシックの特徴

イーサリアムクラシックはイーサリアムから分裂した通貨ですが、もとは完全に同じものであるため、基本的な特徴はイーサリアムと同じです。前述したように、スマートコントラクト機能も引き継いでいます。

大きな特徴は、分裂したきっかけである「Code is Law」の考えを持っていることです。The DAO事件後に多数決によってハードフォークを行った本家のイーサリアムは、今後も同じように仕様変更が可能です。ある意味、中央集権化しているともいえます。 

しかし、非中央集権の信念を大切にしているイーサリアムクラシックは、何があっても仕様変更をするべきではないという立場を取っています。今後もその立場は変わらないと予想されます。

また、発行上限枚数が明確に設定されていないイーサリアムと違い、イーサリアムクラシックは2億3,000万ETCを超えることはないと明言されています。上限が決まっていることで半減期が決まり、半減期を迎える前後には価格が大きく動くと予想されています。

4.3 市場規模の差

イーサリアムはビットコインに次いで、第2位の市場規模を持つ仮想通貨です。2018年3月6日時点の時価総額は、約832億ドル。ビットコインの時価総額は約1,914億ドルであり、イーサリアムはビットコインの市場規模の約43%です。

一方で、イーサリアムクラシックの市場規模は、まだ少ないといわざるを得ません。

イーサリアムクラシックの2018年3月6日時点の時価総額は、約27億ドル。イーサリアムのわずか30分の1ほどです。時価総額ランキングでも大きく離されていて、15位に位置しています。

市場規模がこれだけ違う理由のひとつに、価格差があります。

イーサリアムクラシックの価格はイーサリアムの約30分の1。もとは同じ通貨であったイーサリアムと比べると、現在のイーサリアムクラシックの価格は格安だと考える人も多いようです。

イーサリアムクラシックの開発者たちは、IoT(Internet of Things:モノのインターネット化)分野へ展開していくことを目標としており、今後のイーサリアムクラシックの価格動向に注目が集まっています。

投稿者

Liquid編集部