仮想通貨とは?仕組みやメリットを初心者にもわかりやすく解説
かつては一部の人しか知らなかった仮想通貨ですが、今では連日のようにテレビやニュースで取り上げられ、ネットやテレビCM、街中でも「口座を開設しませんか?」という広告をよく目にするようになりました。
話題になっているので気になるものの、
「仮想通貨ってそもそも何?」「本当に安心して使えるの?」
と疑問を抱いている方も多いのではないでしょうか。
ビットコインなどの仮想通貨は、高いセキュリティをもつブロックチェーンの仕組みを応用した「実体のない通貨」です。しかし、「実体のない通貨」といわれてもなかなか理解が難しいですよね。
この記事では
・そもそも仮想通貨とはどんな通貨なのか
・仮想通貨の仕組み
・仮想通貨の今後の展望
について、初心者でもわかりやすくお答えします。
1 仮想通貨とは
1.1 仮想通貨はインターネット上に存在するデータの通貨
仮想通貨とは、インターネットを通じて不特定多数の人と物品やサービスの対価に使える「通貨」です。仮想通貨は、交換・価値尺度・価値保存の「貨幣としての三大機能」を備えており、れっきとした通貨として使用されています。よく知られているビットコインのほか、イーサリアムやビットコインキャッシュなど多くの種類が存在しており、2018年1月現在、その数はおよそ1,500種類にも及びます。
では、仮想通貨はインターネット上の通貨で、物品などのサービスの対価として使えるということは、電子マネーとは何が違うのでしょうか?
1.1.1 電子マネーとの違い
仮想通貨と電子マネーは、混同されやすいものの全く性質が異なっています。
「電子マネー」は支払いをスムーズにするために、円やドルを「電子マネー」という形態に変えただけのものです。そのため、実質的には円やドルという通貨で支払っているのと変わりありません。つまり、円の価値が変わらなければ、電子マネーの価値も変わらないともいえます。また、電子マネーは電子マネーサービスを発行している会社に依存している、中央集権的サービスと言えます。
一方で仮想通貨は円やドルなどと同列に語られる「通貨」の一種で、価値は日々変動します。また、仮想通貨それ自体はどこかの組織に管理されることのない、分散型の仕組みをもつ通貨です。この仕組みについて、詳しくは後述します。
1.1.2 仮想通貨は日常生活でも使える!
仮想通貨は、インターネット上でしか使えないように思われることが多いです。しかし、日常生活でも仮想通貨が使える場面は、徐々に増えています。
例えば、家電量販店やメガネ屋さん、バーやレストランなどでも仮想通貨を決済手段として導入するお店が出てきています。
また、一部の仮想通貨では光熱費も払えるようになってきています。
1.1.3 一部の仮想通貨で電気代も払える!
一部では、電気代をビットコインで支払うことができるサービスも出てきています。
このサービスでは、既存の電力サービスよりも電気料金が1~7%お得になるプランや、支払った電気料金のうち1~7%がビットコインで還元されるプランもあります。一部の地域では使用できませんが、北海道電力から九州電力まで多くの電力会社で利用可能です。
1.2 仮想通貨の最大の特徴はブロックチェーン技術
仮想通貨を語る上で欠かせないのが、ブロックチェーン技術です。ブロックチェーン技術は取引データを世界中に点在するコンピューターに分散して記録させており、中央集権的ではない点が特徴です。そして、この分散型の仕組みが高いセキュリティを実現しています。
1.2.1 分散型管理システムで秘匿性を担保
ブロックチェーンは、全取引履歴のデータが記録されています。それらをみんなで監視しあい、管理を分散させることで高い秘匿性を実現した技術であるため、注目を集めています。
そのため、誰かが一部のデータだけ改ざんしても、他の全てのパソコン上の取引データを改ざんしない限りは、すぐに改ざんが判明する仕組みです。
1.3 仮想通貨発明者の謎
では、仮想通貨は一体どこの誰によって開発されたのでしょうか?
1.3.1 開発者サトシ・ナカモトとは
ビットコインを開発したのは、「サトシ・ナカモト」と名乗る人物です。
はじめてサトシ・ナカモトの名前が世に出たのは、電子通貨ビットコインに関する論文が発表された2008年のこと。その翌年2009年、ビットコインの運用が開始されました。
サトシ・ナカモトの正体についてはこれまで様々な説が浮上したものの、現時点でも正体不明のままです。
1.3.2 サトシ・ナカモトは日本人?
サトシ・ナカモトはその名前から、日本人男性だと推測されてきました。しかし、
使われている英語が流暢であることや、論文に日本語が使われていないことなどから、日本人ではないと考えられています。現時点で「サトシ・ナカモト」は、ビットコインを開発したグループが使っている偽名であるという説が有力です。
2 仮想通貨の仕組みをわかりやすく解説
2.1 仮想通貨の根幹を担うブロックチェーン技術
仮想通貨の根幹を担うのが「ブロックチェーン技術」。先述したように、ブロックチェーン技術とは世界中のさまざまな場所に存在するコンピューターに情報を点在させた、分散型のネットワークシステムです。
2.2 みんなで管理する分散型の台帳
仮想通貨は、みんなで管理・監視する分散型の台帳によってすべての取引が記録されます。すべてのデータをすべての参加者が共有するため、非常に透明性が高い仕組みになっています。
2.2.1 仮想通貨の管理イメージを例示〜ビットコイン支払いのフロー〜
例として、AさんがBさんにビットコインを送り、さらにBさんがCさんにビットコインを送るとしましょう。
前提として、これまでの取引情報がつまった「ブロック1」があるとします。
AさんがBさんにビットコインを送ります。
↓
BさんはCさんにビットコインを送ります。
↓
このAさんからCさんへの取引など、ある一定量の取引情報をまとめたものを「トランザクションデータ」と呼びます。
↓
世界中のコンピューターが競って、
・今回の取引情報まとめ(トランザクションデータ)
・前の「ブロック1」の情報(※これをハッシュ値といいます)
をうまくまとめた数字(これをナンスと呼びます)を探します。
※この数字(ナンス)を探すのが「マイニング」というもので、マイニングには高度な計算が必要になります。
↓
・今回の取引情報まとめ(トランザクションデータ)
・前の「ブロック1」の情報(ハッシュ値)
・鍵となる数字(ナンス)を探す(マイニング)
をまとめて、次の「ブロック2」が作られます。
↓
以下同じように
1.あるブロックが生成される。
↓
2.新たに行われた取引情報をまとめた「トランザクションデータ」がつくられる。
↓
3.鍵となる数字(ナンス)を世界中のコンピューターが発掘(マイニング)する。
↓
・1.2.3.を合わせて新たな「ブロック」が生成される。
という形で取引が連綿と続いていきます。
ここで重要なのは、仲介者がいないこと。仲介者とは、銀行などといった、通貨を管理する権限を持つ存在のことを指します。例えば日本円であれば、日本銀行という仲介者が管理しています。しかし、仮想通貨はそのような存在なしに運用することができる技術であり、非中央集権のデータベースであるといえます。
2.2.2 取引の記録がすべて残る
仮想通貨の取引履歴は、すべてブロックチェーン上に記録されます。そのため、現金と異なり支払ったかどうかのトラブルも起きません。この点でも、非常に透明性の高い通貨であることがわかります。
2.2.3 透明性の高い取引で不正はできない
先述の通り仮想通貨ではすべての取引履歴が記録されるため、賄賂など不正な取引に用いることが極めて難しい通貨であるといえます。
賄賂のことを「袖の下」などと言ったり、山吹色のお菓子にして現金を渡すようなことがありますが、そのような不正は取引の履歴が残らない現金だからこそできることです。仮想通貨の方が不正を働きづらいのです。
2.3 仮想通貨の高いセキュリティ
理論上、どんなに優れたハッカーであっても世界中に点在するコンピューターに情報を分散させているブロックチェーンを破ることはできません。仮にブロックチェーンを破ろうとするなら、世界に点在するすべてのコンピューターの情報を改ざんしなければすぐに不正が明らかになってしまいます。
このように、仮想通貨の根幹を担うブロックチェーンは高いセキュリティを実現しているのです。
3 【まとめ】仮想通貨の今後の可能性
ここまで、仮想通貨とはどんなものかを説明しました。
仮想通貨を理解する上で重要なのは、
・仮想通貨とは円やドルと同じく価値の変動する「通貨の一種」である
・仮想通貨の根幹はブロックチェーン技術によって担われている
・ブロックチェーン技術は非常に高いセキュリティを実現している
ということです。はじめての方はこの3つのポイントだけ押さえておけば大丈夫でしょう。
3.1 日常生活に浸透するのかがポイント
仮想通貨の重要なポイントは、日常生活に浸透するかという点です。
仮想通貨はまぎれもなく通貨ですが、円やドルといった他の通貨ほど日常に浸透しているとは言い難い状況です。今後、身近なお店や事業者が仮想通貨での決済を取り入れていくのかが注目されています。
3.2 国境のない共通通貨になる日も近い
そう遠くない未来、仮想通貨が世界の共通通貨になる日がやってくるかもしれません。
これまで海外を旅行するときは、外貨両替が必要でした。そのためには両替所を探さなければならず、高い手数料を払いながら両替をしていたと思います。しかし、仮想通貨がより浸透すれば、自国の通貨を外貨に両替するような手間が省けるようになります。
現在では、まだインターネット通販と数少ないお店でしか使えない仮想通貨ですが、そう遠くないうちに日本だけでなく海外での生活を一層便利にしてくれることが期待されています。
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執筆者
Liquid編集部
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