イーサリアムの開発者「ヴィタリック・ブテリン」はどんな人物なのか

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イーサリアムは、従来のブロックチェーン技術の一歩先を行く「スマートコントラクト」が採用されていることが特徴です。そのアイディアを形にした創始者は、24歳の若き天才ヴィタリック・ブテリン氏です。本記事では、彼はどのようにしてイーサリアムの開発に至ったのか、これまでどのような経験をしてきたのか、その人物像に迫ります。


1 イーサリアムとは?
 

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イーサリアムとは、イーサリアムプロジェクトが開発を進めるオープンソースソフトウェアプロジェクトの総称です。

イーサリアムは、単に決済手段として存在しているのではありません。分散型アプリケーションやスマートコントラクトを構築するためのプラットフォームとなっており、このネットワークの参加者は、イーサリアムのブロックチェーン上に分散型アプリケーションやスマートコントラクト機能を自由に記述し、実行することができます。

イーサリアムのブロックチェーンを利用することで、誰でも簡単にアプリケーション開発ができ、さらに書き換えられない契約の締結や実行がブロックチェーン上で可能になります。
これまで、契約の締結としてイーサリアムのスマートコントラクトを利用した婚約届の提出や「CryptoKitties」と呼ばれるキャラクターを繁殖させ、課金によってキャラクターを売買するゲームなどが実行されてきました。

日本の企業や金融機関もイーサリアムに注目しており、EEA(Enterprise Ethereum Alliance:イーサリアム企業連合)に参加している国内企業もあります。イーサリアムは、今後ますます利用が広がり、世界中で活用されることが予想される仮想通貨です。

2 ヴィタリック・ブテリンとはどんな人物か

イーサリアムの創始者であるヴィタリック・ブテリンは、ロシア生まれのプログラマです。幼い頃からプログラミングに興味を示し、さらには数学、経済なども学んでいたといいます。その高い能力から、英才児教育も受けていました。

幼い頃から天才と呼ばれ、のちにビットコインと出会ったことによりイーサリアムの創設に至った、ヴィタリック・ブテリンの経歴について詳しくみていきます。 

2.1 ヴィタリック・ブテリンの経歴

 

ヴィタリック・ブテリンは1994年、ロシアで生まれました。6歳になると家族でカナダへ移住し、その後、才能のある子どもたちが集められたクラスにて経済、数学、プログラミングなどを学びます。

ビットコインと出会ったのは、2011年、17歳のときです。父親から聞いたビットコインの話に興味を持ち、そこからビットコインについて学習をはじめます。

ビットコインに関する深い知識を持とうと考えたブテリンは、1記事で5BTCの報酬が得られる記事作成ライターのアルバイトを始めました。このアルバイトはメディアが閉鎖されるまで続けていたそうです。

その後、ウォータールー大学へ入学し、情報科学の国際オリンピックで銅メダルを獲得するなど、才能を惜しみなく発揮していました。しかし、仮想通貨へ費やす時間をさらに増やしたいと考えたブテリンは大学を中退します。そして、大学中退後まもなく、自身が考案したイーサリアムのホワイトペーパーを発表しました。

このときのブテリンは19歳で、若き天才の発表に世界中が驚きを隠せませんでした。イーサリアムは、ブテリンが「あらゆる目的に使えるブロックチェーンのプラットフォーム」を作りたいという気持ちから生まれています。

ホワイトペーパーが発表された翌年には、イーサリアムのプラットフォームが開発され、ブテリンの構想は徐々に実現していきました。

現在では、東南アジアで展開する仮想通貨「OmiseGO」のアドバイザーに就任しています。アメリカの金融情報大手「ブルームバーグ」が公表した「世界で影響力のある50人」に選ばれるなど、仮想通貨ユーザーのみならず、世界中の金融関係者からから大きな注目を集めている人物といえます。

 

2.2 ヴィタリック・ブテリンの思考

 

ブテリンは、自身の考えや想いについてたびたびSNSでオープンな発言をしています。仮想通貨業界で多大な影響力を持つ彼の発言はメディアにも取り上げられ、ときには仮想通貨ユーザーから批判されてしまうこともあります。

2018年2月、世界中の仮想通貨ユーザーが彼の発言に対し賛否を繰り広げました。その発言とは「仮想通貨はいつ価値が失われてもおかしくない」とツイッターで述べたものです。さらには、「いつ失っても惜しくない資金だけを仮想通貨に使うべき」とまで言及します。

イーサリアムの創始者として、仮想通貨をより多くの人に利用してもらい、通貨として認識されていくことを願う立場であるにもかかわらず、ユーザーの資産にまで配慮する彼の発言はとても紳士的であるといえます。

ところが、この発言に対し、イーサリアムに投資を行っているユーザーからは「不要な混乱を招く」「アドバイスが遅すぎる」といった否定的な言葉も多くありました。

若き天才が熱中し、実現に向けて動いてきたイーサリアムプロジェクトが進んでいくなかで、「投資ではない仮想通貨の価値」について考えてほしい気持ちが生まれたのかもしれません。

自身が作り上げたイーサリアムだけではなく、仮想通貨業界全体について常に考えている姿勢がSNSからも伺えます。 

2.3 ヴィタリック・ブテリンの行動

ブテリンはとても精力的に行動を続けています。2017年8月に「東京ビットコイン会議」のゲストとして来日していますが、日本だけではなく世界中を飛び回り、仮想通貨に関連するさまざまな人と対話しています。

また、ブテリンは寄付にも積極的です。2017年には、人工知能の研究機関MIRI(Machine Intelligence Research Institute)へ日本円にしておよそ8,000万円分のイーサリアムを寄付しています。

その後は、加齢を起因とした病気の研究を行っている研究財団へ約2億6,000万円分のイーサリアムを寄付し、さらには、ウガンダ難民のために慈善団体ギブ・ダイレクトリーへも、OmiseGOと共同で寄付を行っています。

このように、ブテリンは仮想通貨を寄付に利用し、仮想通貨の社会的価値を高めていく取り組みを積極的に実施しています。仮想通貨の未来をしっかりと考え、行動しているブテリンが開発したイーサリアムは、今後さらに価値を上げていくでしょう。

投稿者

Liquid編集部