イーサリアムとは?特徴や基本情報など知りたい情報をまとめました

仮想通貨という新しいテクノロジーは、今、大きな可能性を秘めているとして期待されています。
しかし、仮想通貨=ビットコインではありません。新しい技術やシステムによって構築された仮想通貨が他にも多数存在しています。
中でも「イーサリアム」はビットコインに次ぐ時価総額を持ち、注目を集めています。この記事では、イーサリアムの特徴やビットコインとの違いについて紹介していきます。
1.イーサリアムとは?
1.1 イーサリアムの特徴
ビットコインのシステムをベースに、新たな機能を付与された仮想通貨を総称してアルトコインと呼びます。
イーサリアムはアルトコインの筆頭とされており、ビットコインを除けば時価総額が2018年1月現在で最も大きな仮想通貨です。
通貨として取引される単位としては「Ether」あるいは「ETH(イーサ)」が使われます。ブロックチェーンによる取引情報の保存と保証はもちろん備わっていますが、最大の特徴は「スマートコントラクト」と呼ばれる契約の自動執行機能にあります。
ビットコインのブロックチェーンと異なる点は、ビットコインのブロックチェーンは取引内容をすべて記録していますが、イーサリアムのブロックチェーンは契約の内容まで記録し自動で取引を執行します。
契約内容は改ざんができないため、信頼性の高い契約を結べるというメリットがあります。
1.2 これまでのイーサリアム
イーサリアムとは、2013年に発足したブロックチェーン技術を応用したプロジェクトのことを指します。
2014年からインターネット上での資金調達が始まり、その時点では1ETHおよそ26円という価格でした。
その後、2015年8月に正式にリリースが行われ、1ETEはおよそ120円で取引されるようになります。
そして価格は上昇を続け、2016年3月に1ETH1,696円という過去最高高値を記録しますが、直後に暴落しました。
原因はシステムの欠点を突かれ、50億円相当のETHを奪われるという出来事が起きたからです。
その後、システムが改善したことで信頼を取り戻し、再び値を上げていきました。
また、2017年6月あたりから、1ETHが4万円に暴騰するという状況が起こりました。
価格が暴騰した要因はさまざまなものがありますが、1つは同年5月22日に日本のトヨタ自動車がイーサリアムへの参入を表明したことが大きかったとされています。
ただ、この時期からイーサリアム上で新規の仮想通貨を作る事業(IOC)が大量に発生したことで、ネットワークが混雑し、取引の遅延や停止が起こったため再び1ETH2万円まで暴落しました。
その後は価格が安定し、ゆっくりと上昇を続けていきます。2017年末にかけて、仮想通貨市場全体が好況を迎え、2018年には一時1ETH17万円を超える過去最高値となりました。
2.イーサリアムとビットコインの違いは?
ビットコインやイーサリアムは共に仮想通貨という形で取引されているものです。しかし、両者の関係は単に名称が違うだけではありません。
イーサリアムとビットコインの間には、その役割や技術的な面などにも大きな違いがあります。
まずは、その違いをしっかりと把握することでイーサリアムとは何なのかを理解し、購入や投資を行うことが大切です。
2.1 イーサリアムとビットコインの役割の違い
ビットコインは市場で取引される仮想通貨の中では最も古く、2018年1月現在、最大の時価総額を誇ります。
ビットコインは、通常の通貨に代替するデジタルな単位として、取引を行うことを目的に開発されました。
一方イーサリアムは、「ブロックチェーン技術を利用したサービスを開発するプラットホーム」を作るプロジェクトの名前です。誰もがブロックチェーン技術を応用したサービスを提供できるようになることを目的として発足されました。仮想通貨として取引される「ETH」は、イーサリアムを利用したサービスの一種です。
また、イーサリアムにも、ビットコインのような取引を行う機能があり、そのために作られたのが「Ether」というトークンです。
2.2 イーサリアムとビットコインの技術的な違い
イーサリアムとビットコインの2つの仮想通貨に共通している点は、ブロックチェーン技術を利用していることです。
すべての取引を記録する電子帳簿が、すべてのビットコインやEtherに紐付けされているため、改ざんが極めて困難であり、中央管理組織がなくても信頼性を確保できるとされています。
イーサリアムの特徴は、そこに「スマートコントラクト」という技術が加わっている点です。「スマートコントラクト」には取引内容だけに留まらず、その取引にかかわる契約の内容も記録します。
そのため、単なる通貨のやりとりだけではなく、イーサリアムを通じて契約そのものが交わされるといった可能性を秘めています。
3.イーサリアムを入手する方法は?
実際にイーサリアムを入手するためには、自分で購入したり譲渡してもらったりする必要があります。
また、マイニングと呼ばれる方法でイーサリアムを得ることも可能です。
それぞれの方法について詳しく紹介いたします。
3.1 自身で購入する
イーサリアムを購入するためには、通常は自分のウォレットを作らなければなりません。ウォレットとは、デジタルな存在であるイーサリアムをしまっておくための財布のようなものです。ウォレットを作っておけば、取引所を通じてイーサリアムの売買が行なえます。ただし、QUOINEXをはじめほとんどの取引所では、ウォレットの機能を内蔵しています。そのため、自分のウォレットを作る必要がない場合が多いです。
3.2 譲渡してもらう
イーサリアムを持つためのウォレットを作っておけば、同じようにウォレットを持っている人から直接譲渡してもらうこともできます。ただし、イーサリアムは通貨であり価値があるものとされていますから、無料でもらえることはほとんどないでしょう。
3.3 マイニングで見つける
ビットコインと同様に、イーサリアムにもマイニングが存在します。
ブロックチェーンおよびスマートコントラクトの内容が正しいことを承認する作業に参加することで、報酬としてイーサリアムを得られるのです。
ただし、マイニングに参加するためには、相応の性能を持ったコンピュータを用意する必要があります。
また、イーサリアムは将来的にマイニングを必要とするシステム(プルーフ・オブ・ワーク)から、マイニングが不要となるシステム(プルーフ・オブ・ステーク)へ移行することになっている点にも留意をしておきましょう。
4.イーサリアムの取引所
イーサリアムを手に入れる最も手軽な方法が、取引所を介して取得するというものです。しかし、イーサリアムを取り扱っている取引所は、国内だけでも数多くあり、海外も含めれば数え切れないほど存在しています。国内でも海外でも、取引所ごとにメリットやデメリットが存在しますから、利用する前に基本情報をきちんと理解することが大切です。
4.1 日本国内の取引所
イーサリアムを扱う取引所ですが、まずは日本最大の資本力を持つ「bitFlyer」が挙げられます。株主として大手企業が名を連ねる取引所であり、経営が安定しているため初心者でも安心して利用できるでしょう。「coincheck」は仮想通貨の取扱銘柄が多く、もちろんイーサリアムも扱っています。二重認証を必要としますが、アカウントの乗っ取りなどで失われた資産を100万円まで保証するという制度があり、信頼性を担保している点も特徴的です。手数料の安さという面で見ると「Zaif」も選択肢にあがるでしょう。ある程度取引に慣れてきて頻繁に売買を行うようになると、手数料の安い取引所のほうがお得だといえるからです。
4.2 海外の取引所
海外の取引所を利用するためには、まず国内の取引所に登録する必要があります。日本円での取引はなく、ビットコインとの交換でイーサリアムを購入する形になるためです。海外の取引所では、国内の取引所よりも手数料が安かったり扱う仮想通貨の種類が多かったりと、さまざまなメリットがあります。イーサリアムを扱う取引所も多いですが、ほとんどの取引所が英語でのやりとりになるというデメリットもある点は注意しておきましょう。また、日本国内の法律も適用されないので、まずは国内の取引所で慣れてから挑戦することをおすすめします。
5.イーサリアムの今後
イーサリアムには、スケーラビリティと呼ばれる問題があります。これは処理する情報が大きくなり過ぎるために、ブロックチェーンの承認までに時間がかかってしまうというものです。仮想通貨のメリットである送金時間の短縮という面で、これは大きな障害となるでしょう。しかし、イーサリアムの開発に関わる人々は、そうした問題を認識して改善に努めています。また、イーサリアムというプラットホームを利用した新しいサービスの開発も増え、今後ますます活気を帯びる可能性があるでしょう。
6.イーサリアムのメリット・デメリット
イーサリアムは、ビットコインに対抗する仮想通貨として注目を浴びています。デジタル上の通貨として誕生したビットコインは、現在世界各国で流通し、実際に商品の購入やサービスの決済などにも使われています。しかし、イーサリアムにとってEtherという仮想通貨はほんの一部に過ぎません。今後、イーサリアムというシステムを利用したサービスがさらに提供されていけば、その価値は飛躍的に上昇する可能性を秘めています。ただし、現状のイーサリアムは開発に携わる人や投資目的で購入する人以外には利用方法がほとんどありません。すでに決済利用が広がりつつあるビットコインと比べると、そうした点はデメリットとなります。その特徴を理解した上でイーサリアムに希望を感じるという方は、購入や保有を前向きに検討してみるのもいいでしょう。
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執筆者
Liquid編集部
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