2018年11月6日(火)QASH ICOから1年

QASH(キャッシュ)のICO実施から本日(11月6日)で1年が経ちました。長い道のりでしたが、仮想通貨業界の状況が大きく変化する中、Quoine(コイン)はこの1年で大変な成長を遂げました。
この機会にこの1年を個人的に振り返り、Liquid by Quoine(リキッドバイコイン(以下Liquid))やQASH、そしてQuoineの未来について考えてみたいと思います。
QASHのICOを行ったのは2017年11月でしたが、準備はずっと前から始まっており、チームは休みなく働いていました。Liquidプラットフォームの構築とQASHトークンの提供のために約100億円(ディスカウント後)を調達しましたが、今でもICOで成し遂げたことの大きさに圧倒される思いです。
当社のビジョンを信じる支援者や投資家の皆様は、信念と資金を私たちに預けてくれました。道のりは困難ではありましたが、皆様の期待を超える仮想通貨プラットフォームの提供に向けて順調に進んでいます。私たちを支えてくれるすべての方々に心より感謝申し上げます。
この1年では、時には皆様が求めるようなニュースをお届けすることができなかったかと思いますが、皆様のご意見にはしっかり耳を傾けております。あまり私たちの動きがないように見えることもあるかもしれませんが、ずっと思い描いてきたLiquidプラットフォーム構築のために、300人の社員が無我夢中で働いています。
私たちには高い目標があります。時には高すぎると思われることもあるかもしれませんが、Liquidでは、単なる仮想通貨取引所をつくるわけではありません。皆様にはより大きな結果と成功を辛抱強くお待ちいただいておりますが、 ぜひ昨年11月のICOを取り巻く興奮を思い出していただきたいのです。そのエネルギーは今も私たちを日々突き動かしています。これは1年前と変わりません。MarioやRay、Andre、Sethらの経営陣と話をするときに彼らの目に情熱の火が宿っているのを今も感じています。
しかし、この道のりは決して容易なものではありませんでした。
光陰矢の如し
私たちが本来のQASHロードマップから逸れていることは明白です。これは規制に準拠するためです。仮想通貨の新たな領域を歩むグローバルフィンテック企業として、規制当局と密接に連絡を取り、規制に準拠するのは我々の責務です。簡単なように聞こえますが、私たちのほぼすべての業務が規制に関連しており、常に細心の注意が必要となります。
仮想通貨市場の成長は、私たちのように規制に準拠し、仮想通貨の真価と将来の可能性を示すことのできる企業にかかっています。仮想通貨の発展のためには、一定のルールとプロセスを守りながら、可能な範囲を広げていくことが必要です。
QryptosとQuoinexを統合した、Liquidという新しいサービスのローンチは非常に困難なミッションでしたが、これは始まりにすぎません。私たちは現在も常にプラットフォームの改善を行っています。簡単に直せるものもありますが、中には全体のパフォーマンスに影響を与えてしまうような難しいものも多くあります。
私は過去1年で達成したことを誇りに思いますし、次の1年の開発計画と、それを皆さんに共有できる日をとても楽しみにしています。
ワールドブックの接続
私たちの最新の発表は、GUSDとUSDCの2つのステーブルコインの新規上場になります。QUOINEは、Liquidにおいて世界中の仮想通貨取引所の流動性を束ねる「外部ワールドブック」のパートナー取引所として、ジェミニ社の流動性を活用していきます。この件について皆様にお伝えすることができ大変嬉しく思いますが、これは今後予定している計画のほんの一部でしかありません。私たちが彼らと構築している関係は、MOU(覚書)と長い議論の末に実現することになります。私がここ数ヶ月間に渡り各地を飛び回ってきた理由の1つは、私たちの金融を民主化するというビジョンに共感してくれる仮想通貨界のリーダー達と会うことでした。
パートナーシップについては皆様と情報を共有したいのですが、具体的な内容が固まり次第、共有させていただきます。 ワールドブックは素晴らしいテクノロジーであり、それこそが多くの方々が我々の ICOに投資をいただいた理由だと考えています。Liquidの新章は、パートナーシップを通じて私たちが目指す流動性が真に実現された時に始まります。
日本以外の地域でのステーブルコインの上場については、長らく考えてきました。ステーブルコインはトレーダーに人気があり、規制されたステーブルコインが私たちの取引所に上場されることを待ち望んでいました。コンプライアンスの順守は、私たちとお客様の両者にとって重要だと考えており、今回2つのステーブルコインを上場させることができて大変光栄に思います。
世界中でステーブルコインの需要がありますが、私たちの日本ユーザーは、そのメリットを享受できないことが多々あります。私たちは現在、完全にコンプライアンスに準拠した円貨のステーブルコインを開発する機会を模索し、日本でのLiquidブランドをさらに固めようとしています。
日本国内だけでなく、Liquidユーザーが自由に取引できるよう、私たちは努力しています。ちょうど今週、有名なモバイル暗号通貨Electroneumの初の法定通貨ペアETN / EURを導入しました。 法定通貨ペアは仮想通貨へのアクセスを大幅に向上させるため、仮想通貨のポテンシャルをさらに高めてくれます。
QASHトークン
QASHユーティリティは日本以外の地域ではLiquidのローンチと共に始まりました。
QASHユーティリティとして、私たちは、手数料の支払いにQASHを使用すると手数料が50%引きとなるオプションを導入しました。日本でも 手数料割引、Liquidコミュニティ内の投票などにご利用いただくことを検討しています。
QASHを保有いただく皆様へ
世界中のQASHホルダーの皆様に個人的なメッセージを伝えたいと思います。Liquidのビジョンを信じて下さる皆様には感謝の気持ちでいっぱいです。この1年は、私たちにとってだけでなく、仮想通貨市場全体にとって困難な年でした。仮想通貨市場は、昨年12月の高値から下落して市場は落ち込んできてはいますが、私の仮想通貨に対する信頼はこれまで同様変わりませんし、今後も仮想通貨が切り開く未来を信じています。私は10年前のSatoshi Nakamotoのホワイトペーパー以来、仮想通貨を追いかけてきました。そして、今まで以上に仮想通貨が世界的に普及していくことを確信しています。
私たちは、QASHが数千ある仮想通貨の中で正当な評価を得ることを期待しています。そのためには、Liquidが可能な限り最良の仮想通貨取引所である必要があります。ICOのための米ドル資金調達であれ、レバレッジ取引のための新しい取引ペアであれ、新たな機能や改善が加えられるたびに、新しいユーザーが生まれます。より多くのユーザーがいるほど、QASHのユーティリティは高まります。それを実現するために、私たちは現在トークンのバックボーンを構築している最中です。
Liquidの将来
Liquidの将来は有望です。銀行にアクセスできない人々と流通市場に金融サービスを提供することは、当社の中核となる価値の1つです。私たちはすでに法定通貨による資金調達の選択肢を提供していますが、ファイナンシャル・インクルージョン(Financial Inclusion)への取り組みの次のステップは、お客様の登録プロセスを大きく改善することです。多くのユーザーが銀行振込を行うのではなく、クレジットカードから直接購入したいと考えていることを知っています。私は、年末までにLiquidにカードによる入金を導入することを非常に楽しみにしています。(日本は対象外とする予定)
初めて仮想通貨を購入する方々にとっては、仮想通貨取引所での取引が非常に難しいものであるでしょう。私は、仮想通貨のムーブメントに参加するために、ユーザーの皆様が取引所の利用方法を理解する必要はないと考えており、Liquidでは、取引経験のない方々でも仮想通貨をもっと簡単に購入できるようにする機能を実装します。
このような機能に加え、より速い仮想通貨出金、人気の高い仮想通貨の上場、トレーダーに喜ばれる通貨ペアにおける流動性の供給も実現していきます。
仮想通貨取引所として最高の存在となるため、私たちは開発・改良を続けていきます。
終わりに
今一度、昨年、私たちと一緒に大切な時間を過ごしてくださったQASH / Liquidコミュニティの皆様に感謝したいと思います。皆様に誇りに思ってもらえるよう、私たちは誠心誠意努力しております。
他のCxOからもメッセージがあると思いますが、私はこれから毎月報告をコミュニティに提供する予定です。私の最初の報告は11月の終わりになります。週次報告よりも、より実質的で有用な報告とするつもりです。
最後に、皆様のご健勝、そして仮想通貨業界のますますの発展を祈念して、結びの言葉とさせていただきます。
引き続き、LiquidとQASH、QUOINEにつきまして、皆様からの多大なご支援を賜れますと幸いです。
QUOINE株式会社
代表取締役社長
栢森 加里矢
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執筆者
栢森 加里矢(かやもりかりや)
東京大学法学部卒業、ハーバード大学MBA取得。三菱商事、Globespan Capital Partners、ソフトバンクグループにてシニアロールを歴任する中、日・米・アジアで投資・IT・ベンチャーに携わる。2014年11月にQUOINEを共同創業、2016年4月よりCEO。