2019年 年頭所感

新年、あけましておめでとうございます。
2018年が仮想通貨業界にとって価格修正、現実の再確認、そして謙虚さを取り戻した年だったことに安堵していると同時に、いよいよ年が明け、2019年が始まることにことに胸を踊らせています。
2017年にBitcoinの価格は20倍に、Ethereumは100倍以上に上昇したため、昨年の価格修正は起こるべくして起こったのだと考えています。一方で、期待感は依然として強く、多くの専門家はビットコインの価格は2018年に上昇し続けると予測していました。
それと同時に、私自身、2018年末までにBitcoinの価格が5万米ドル(550万円*)になりうると信じていました(壊滅的なハッキングや事件が起こらないと想定した場合)*1ドル110円換算。
しかし皆様のご存知の通り、専門家らの予想は見事に外れ、マーケットは1年間を通して下方修正を続けました。Bitcoinの価格は1月から12月にかけて75%下がり、アルトコインはそれ以上に価格が下落しました。
https://cryptowat.ch/markets/quoine/btc/jpy
最大の理由は、主要な仮想通貨取引所でのハッキングや障害が続いたことですが、その他にも、a)グローバル規制の厳格化、b)SECによるBitcoin ETFの非承認、c)ICO詐欺の拡散、d)Bitcoinキャッシュの議論を巻き起こしたハードフォーク、そしてe)トークン発行者とマイナーがETHや他の仮想通貨を売って法定通貨を調達したことなどが挙げられます。これらすべてが、仮想通貨価格の下落、仮想通貨業界への否定的な感情とさらなる反発を招きました。
しかし私たちはこうした困難の時期を乗り越えましたし、グローバル規模での規制強化などは私たちの規制順守の姿勢に一致しているので有利に働くと私は信じています。業界が成熟するにつれて、規制当局と協力することはもはや選択肢ではなくなり、持続可能な成功への唯一の方法となっていくのです。
また、インターネットが変わらずあり続ける限り、最も有望な技術の一つとなった仮想通貨とブロックチェーンの根幹にある革新的なテクノロジーの可能性もあり続けます。金融業界だけで見ても、仮想通貨とブロックチェーンの根底にある技術は通貨、支払い、送金、貿易金融、海外決済、有価証券などに大きな変革をもたらします。仮想通貨業界はこれまで以上に先が明るくなったと同時に、まだまだ初期の段階にあると感じています。
2018年9月には、QUOINEXとQRYPTOSを統合し、嵐を乗り越えてLiquid(www.liquid.com)の立ち上げを無事成功させることができました。また現在は、機能の拡張及び追加を可能にするため、Liquid立ち上げ後の最適化と安定化に注力しています。Liquidは、様々なサービスを提供する私たちの基盤のプラットフォームとなります。
私たちは力に満ち溢れた2019年を送るためにしっかりと準備して参りました。
2018年のハイライト
最近のブログ記事と2018年12月に公開されたYouTubeビデオを添付しました。
これらのブログ及びビデオには多大な労力を注ぎましたので、ぜひご覧ください。これらは昨年1年間の活動をまとめています。
昨年は困難な時期もありましたが、私たちは困難に立ち向かい、Liquidを立ち上げ、そしてマーケットシェアを拡大することができました。
第4四半期進捗レポート: https://buff.ly/2CNfqlY
ビデオ*: https://www.youtube.com/watch?v=8yyndP_A3Cg&feature=youtu.be
*カスタマーサポートの内容は海外向けの運用となります
ミッション / ビジョン / バリュー
私たちのチームは、104名 (2017年12月) から331名 (2018年12月) にまで拡大しました。全員の関心を一致させることは重要です。2018年7月に経営陣を集めてミーティングを実施し、QUOINEのミッション、ビジョン、そしてバリューについて下記の通り再確認しました。
ミッション:QUOINEのミッション・ステートメント“世界の全ての人に金融サービスを”
世界の人口は70億人を突破しましたが、25億人弱が未だに銀行口座をもっていません。彼らは基本的な金融サービスを受けることができず、残念ながら世界の貧富の差が広がっています。しかし、スマホは一人一台持つ時代がやってきました。仮に銀行口座をもっていなくとも、スマホと仮想通貨のウォレットがあれば、金融サービスを享受することができます。我々としては、世界の全ての人に金融サービスを提供することをミッションとします。
ビジョン:“世界最大のブロックチェーン事業者として次世代金融サービスを提供する”
もし“世界の全ての人に金融サービスを”というミッションが達成できるならば、私たちは世界最大のフィンテック企業となることもできます。また、ブロックチェーン技術は私たちのビジョンを拡大させ、また達成可能にしてくれると信じています。現在、私たちは取引所にすぎませんが、次世代の金融サービスを可能にするリキッド分散台帳(LDL)の構築に励んでいます。
バリュー
1. 顧客中心主義 - ユーザーの安全を最優先に
厳しい規制を強いられる金融業界におけるスタートアップとして競争を勝ち抜くために、ユーザー様を中心に考えることは私たちにとって最重要事項です。私たちはユーザー様から多くを学び、常にユーザー様に目を向けています。
2. 革新と創造的破壊
ベンチャーにとってイノベーション(技術革新)が全てです。大企業と比べて、ブランドも資金力も顧客基盤もないベンチャーにとって、創造的破壊こそ生きる術です。そして、イノベーションは会社が起こすものではなく、人が起こすものです。
3. 行動力
イノベーションの思いがあっても、それを実行に移さなければ意味がありません。誰もが評論家になれますが、一握りの人間しか行動に移せません。ここに大きな差が生まれます。イノベーションのための行動の結果として失敗することはむしろ推奨されます。なぜなら失敗こそ成功の源だからです。何事も行動力が重要です。
4. 法令遵守しつつ大胆に
金融は規制産業です。ユーザー様の安全のために法令が整備されています。規制されているということは、それだけユーザー様への影響が大きいと言えます。そして、ユーザー様を守るための法令遵守は企業の使命でもあります。私たちは法令遵守のための行動に妥協しません。そして同時に、ユーザー様のためサービス改善・イノベーションの実現に向けて大胆に邁進します。
5. パッション
何事もパッションが重要です。特に仮想通貨・ブロックチェーン業界は進化のスピードに目を見張るものがあります。揺るぎない思いと熱量がなければ、業界の持つ熱とスピードに振り落とされてしまいます。
6. 協力・団結
例えロックスターや優れた開発者であっても、周囲の人々に良い影響を与えることができない人は職場を間違えているかもしれません。我々はミッションを成し遂げるためにチーム一丸となって活動しています。
7. 透明性
私たちの活動全てにおいて、透明性を保持しなければなりません。それは、社内および社外含めてです。仮想通貨の世界はまだまだ成長産業ですが、誠実で透明性のあるプロバイダーが生き残ると私たちは考えています。
8. インパクト
当社は株式会社ですので株主がいます。ICOを実施しましたのでトークン保持者もいます。そして、当社のサービスを利用するユーザー様がいます。あらゆるステークホルダーへ価値を創造し還元します。私たちが提供する価値が、結果的に社会全体へのソーシャルインパクトになることを目指します。
プロダクト (マリオより)
Liquid: Lquidは、私たちの2つのコアプラットフォームであるQUOINEXとQRYPTOSを統合したものです。このプロジェクトは、法務、オペレーション、カスタマーチャンピオン、マーケティング、テクノロジーに至るまですべての部門でリソースを割き、何ヶ月もの労力を費やしました。そして無事2018年9月にLiquidを立ち上げることができました。WebユーザーインターフェースなどLiquidの一部として提供されていたいくつかの重要な機能については、以下改めてご紹介させていただきます。
新たなWebユーザーインターフェイス: 新たなWebユーザーインターフェイスとユーザーエクスペリエンスは、プラットフォーム上でのユーザーのフィードバックとユーザーの行動に関する数ヶ月に及ぶ分析努力の結果です。この新たに改良されたWeb UI / UXは、これまで不十分と認識されてきたユーザーインターフェースに転機をもたらしました。 これにより、UI / UXに関するユーザーのフィードバックは劇的に改善されましたが、UI / UXの改善作業は今後も継続していきます。
マルチマーケットオーダー (MMO) サブシステム: マルチマーケットオーダー(MMO)サブシステムは、1年近くかけて行われた開発の集大成です。MMOは、関連する(ベース通貨による)さまざまなオーダーブックを実質的に1つにまとめ、根底にあるすべてのオーダーブックからの流動性を高めることを可能にする、重要な技術的機能です。そのパフォーマンスを向上させるためMMOの改良作業を続けています。
大幅なパフォーマンスアップグレード、監査及びコンプライアンス業務: 2018年後半にはより大きなシステム負荷に対処するため、ソフトウェアレベルでの大幅なパフォーマンスのアップグレードに注力しました。また、かなりの人数を監査およびコンプライアンス関連タスクに割り当てました。この業務は今後も継続していきますが、現在のLiquidプラットフォームはサービス開始した2018年9月の時点よりもはるかに安定しています。
2019年の取り組み
私たちは、昨年の間に2019年のさらなる飛躍・成長のために十分な準備を整えたと信じています。私たちのチームやサービス、そしてコアとなる会社の基盤は、今日では大変強力なものとなっています。しかしながら、2019年の仮想通貨業界がどの方向に進むのかまだわからない状況ですので、リソースを慎重に管理し、柔軟性と慎重さを両立していきます。
仮想通貨価格が下がり続けるならば、我々は長びく冬の時期に備える必要があります。しかしまた、マーケットが回復してきたときにさらに会社を成長させるための準備をする必要もあります。弊社は両方のケースに備え十分に準備していますが、マーケットの状況にかかわらず、以下に記しているように、引き続きコアサービスを拡張していきます。
Liquidプラットフォーム
入出金の改善:継続的なユーザーエクスペリエンス向上の一環として、高度なセキュリティを維持しながら、出金をはるかに速く(ほぼ瞬時に)処理できる最先端のテクノロジーを導入します。また、EUR、USD、JPYでクレジットカードに入金することもできます。(クレジットカード入金については日本ユーザーは当初ご利用いただけない予定です。)
モバイルアプリ:日本では1月に、大変評価の高い日本独自のモバイルアプリであるリキッドライト版でレバレッジ取引を開始する予定です。
海外では、2019年の第1四半期にリキッドプロ版をiOSとAndroidの両方でスタートする予定です。リキッドプロ版はほぼ1年前から稼働しており、前のセクションで説明した新しいWeb UI / UXと同様の方針に従っています。仮想通貨取引初心者ユーザーのために簡単な操作性を提供するとともに、プロユーザーが期待するすべての便利な機能を備える予定です。
Quick Buy:Quick BuyはRFQ(Request For Quote)システムに基づき、ライトに仮想通貨取引を楽しみたいユーザー向けの簡易なUI/UXを提供します。。私たちはこの新しいサービスが簡単に仮想通貨を売買したいユーザーにとってはるかにシンプルなユーザーエクスペリエンスを提供できると期待しています。
Liquid Infinity:Liquid Infinityは、より高いレバレッジと顧客向けに強化されたリスク管理を可能にする、プロトレーダーのための新サービスおよび独自のマーケットであるレバレッジ取引になります。(日本ユーザーはご利用いただけない予定です。)
Liquid Vision:Liquid Visionは、トレーダーが他のトレーダーをフォローしたり、投資パフォーマンスのスクリーンショットを投稿したり、リーダーボード表示するだけでなく、投資ポートフォリオのチェックや、ニュースのフォロー等を可能にする一連のソーシャル機能になります。これは私たちの取引所サービスの新しいユーザーインターフェースになるだけでなく、仮想通貨業界に他にはないインターフェースとなるでしょう。
セキュリティトークン(デジタル資産)取引所
仮想通貨トークンマーケットが、ビットコインのような完全に分散化された暗号通貨からユーティリティトークン、そしてセキュリティトークンへと進化しており、セキュリティトークンをLiquidプラットフォームに統合する予定です。すでに主要市場で必要なライセンスの申請準備をしています。
リキッド分散台帳(LDL)
私たち(および他の多くの仮想通貨取引所)がバックオフィスと財務管理プロセスのために、中央で一元管理された台帳技術に依然として依存していることは、ブロックチェーンベースのフィンテック企業として少々皮肉なことです。リキッドプラットフォーム全体が分散元帳技術(DLT)で成り立つことが理想的ですが、これについては現時点では少々高望みかもしれません。
今のところは分散台帳技術領域における動向を鑑み、最善の戦略を採用し、最善のコンセンサスアルゴリズムを活用することに決めました。私たちは当初セキュリティトークンオファリング(STO)に特化したスマートコントラクトの開発にフォーカスし、最先端の金融サービスを提供するための確固たる基盤を築きたいと考えています。。
その他の新しい取り組み
仮想通貨マーケットは今年も依然として混乱する可能性があると思っているため、リソースの90%をコアビジネスに集中させますが、将来に備えるための新しい活動に少なくとも10%を費やします。
サポートに感謝します
富士山は強さと繁栄の象徴です。
新年の日の出を見るために、多くの方々が富士山を訪れます。富士山は末広がりを表しており、時間とともに強く成長し、繁栄し、大成功し続けることを意味します。
富士山の末広がり同様、2019年はLiquidプラットフォームの上でさらに成長していく年です。
2019年は、新たなチャンス、創造性、そして革新をもたらし、世界に前向きな変化をもたらす、刺激的な年にしたいと考えています。
Liquidのユーザー、QASHホルダー、株主、その他当社に関わる全てのステークホルダー様の継続的なサポートに感謝いたします。
Happy New Year!!
Mike & Mario
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QUOINE株式会社
仮想通貨交換業者 関東財務局長 第00002号
加入協会: 一般社団法人日本仮想通貨交換業協会/ 一般社団法人日本仮想通貨ビジネス協会/一般社団法人Fintech協会
お問い合わせ: support_jp@quoine.com
〒104-0031 東京都中央区京橋二丁目2番1号
代表電話番号:03-6261-6333
(※上記番号でのサポート対応は受けかねますこと、ご注意ください。)
仮想通貨の取引を行う際には、以下の注意点にご留意ください。
仮想通貨は、日本円や米ドルなどのように国がその価値を保証している「法定通貨」ではありません。インターネット上でやりとりされる電子データです。
仮想通貨は、価格が変動することがあります。仮想通貨の価格が急落したり、ネットワークに問題が発生して突然無価値になってしまうなど、損失を被る可能性があります。
仮想通貨の取引を行う場合、価格変動の他に流動性・システム等の様々なリスクが存在します。取引の仕組みやリスク等について、各種規約・取引ルール等の内容をよくご理解いただき、ご自身の責任と判断で取引を行ってください。
https://quoinexjp.zendesk.com/hc/ja/articles/115009415988-各種規定
取引いただく際には、各取引の種類等に応じて所定の手数料をご負担いただく場合があります。
https://quoinexjp.zendesk.com/hc/ja/articles/360013294331-手数料一覧
レバレッジ取引に関しては、各種規約・取引ルール等の内容をお読みいただき、必要証拠金の計算方法、証拠金率等レバレッジ取引の仕組みや、預託した証拠金を上回る損失が発生する可能性等レバレッジ取引特有のリスク等について、よくご理解した上でご自身の責任と判断で取引を行ってください。
https://quoinexjp.zendesk.com/hc/ja/articles/115009415988
仮想通貨を利用した詐欺や悪質商法にご注意ください。仮想通貨を取り扱う仮想通貨交換業者は金融庁・財務局への登録が必要です。当社は、仮想通貨交換業者 関東財務局長 第00002号として登録を行っています。
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執筆者
栢森 加里矢(かやもりかりや)
東京大学法学部卒業、ハーバード大学MBA取得。三菱商事、Globespan Capital Partners、ソフトバンクグループにてシニアロールを歴任する中、日・米・アジアで投資・IT・ベンチャーに携わる。2014年11月にQUOINEを共同創業、2016年4月よりCEO。