2019年第1四半期進捗レポート

2019年の仮想通貨市場は、先行き不透明な中で始まりました。長期化するベアマーケットが損失を招き、市場ムードには不安とフラストレーションが入り混じりました。
そのような状況下でも、資産を保持し続けた人、そして着実に資産を増加させた人もいました。必ずしもまだこの負の状況を完全に脱したわけではなく、相場の弱さを指摘する声も多数ありますが、第1四半期の終わりにあたり、私たちは今後の展望に期待を抱いています。
市場の淘汰という意味では健全な状況にあるといえます。ベアマーケットの間に乱高下が生じたものの、ブロックチェーンや仮想通貨の担い手たちが気持ちを引き締め直すなどのプラスの面もありました。
現在、市場ムードは改善に向かっており、仮想通貨領域はこれまで以上に成長スピードを早めています。
この新しく活気に満ちた領域が発展する過程で私たちが重要な役割を果たすことができることに、大きな喜びを感じています。
Liquidにとって当四半期は実りが多い四半期でした。多くのプロダクトの改善を図り、また、新サービスのリリースや重要な開発を進めることができました。
以下に第1四半期の成果をご報告します。
会社の成長
私たちは「世界の全ての人に金融サービスを」をミッションとして追求し、Liquidが主要な仮想通貨取引所の一つとなるべく、チームのさらなる拡充を図っています。
皆様にとってLiquidが望みうる最高のプラットフォームとなるよう、現在20ヶ国以上から340人のスタッフが懸命に業務に当たっています。
中国語サポートの開始(海外のお客様向けのサービス内容となります)
Liquidに中国語の繁体字と簡体字を導入し、中国市場へのリーチを拡大しています。
カードでの入金(海外のお客様向けのサービス内容となります)
仮想通貨への参入プロセスを合理化することは、ファイナンシャル・インクルージョン、すなわち、金融包摂を実現するにあたり非常に重要なことです。
私たちは2月21日にデビットカード及びクレジットカードによる入金サービスを導入しました。現在、Liquidのお客様はVisaやMastercardを使用して数分でユーロでの入金が行えます。
Liquidの口座にご入金いただいたユーロを使用して、BitcoinやEthereumなどの仮想通貨を購入したり、それらの仮想通貨を利用して、Liquidが取り扱う100以上のデジタル資産を購入したり、取引したりすることができます。
現在、クレジットカード入金可能な取り扱い法定通貨の種類をさらに追加する計画を進めています。
取引手数料体系を改善し、新体系を導入(海外のお客様向けのサービス内容となります)
当四半期にLiquidの取引手数料体系を改善し、新たな手数料体系を導入しました。それに伴い、手数料ゼロキャンペーンのプロモーションを終了しました。
新たな手数料体系では、QASHで取引手数料を支払った場合、maker・takerの手数料はいずれも0.05%となります。
QASH以外の支払い方法を選んだ場合、均一手数料は0.1%と2倍になります。
新手数料体系の導入により、今日の市場における当社の競争力が格段に高まり、QASHトークンの利用が促進されると考えられます。
可能な限り低い手数料を必要とするハイボリュームトレーダーの方々の取引活動をサポートするために、私たちは取引量に応じて毎月QASHで還元を行う取引手数料還元キャンペーンを開始しました。
*日本ではレバレッジ取引に関する手数料体系を以下の通り変更いたしました。現物取引については引き続き取引手数料は無料です。
1, ポジション管理料
ポジション管理料は、これまで基準時である午前7時を繰り越した場合に支払いが生じておりましたが、日本時間の午前1時、午前9時、午後5時のそれぞれの基準時を繰り越す度に支払いが生じます。
なお、一回あたりの支払い手数料は0.025%の3分の1となり、1日あたりの支払い手数料に変更はございません。
2. ロスカット執行の際の取引手数料
ロスカットを執行した場合には、約定価格の0.2%を取引手数料としていただきます。
Liquid Infinity(海外のお客様向けのサービス内容となります)
2019年の始まりにあたり、当四半期は大胆な取り組みを実施しました。規模、質、スピード向上といった当社の目標は、Liquid Infinityに集約されています。
Liquid Infinityにより、需要の高いBitcoinのレバレッジ取引がLiquidプラットフォームにおいて、最大100倍のレバレッジ倍率で実施できるようになります。
トレーダーの皆様は、プロ仕様のダッシュボード上にある強力なツールセットを駆使し、複雑な取引管理や総合的に市場動向を洞察することで、重要な兆候を発見することができます。
ぜひBTC/米ドルまたはBTC/日本円の通貨ペアによるレバレッジ取引において、Liquid Infinityの能力を存分に体験してください。

Liquid Infinityは満期のないBitcoinレバレッジ取引です。これまでのLiquidでのレバレッジ取引と同じく、BTC、ETH、XRP、QASH、米ドル、日本円、ユーロ、シンガポールドル、オーストラリアドルなど、さまざまな通貨で入金できます。
Liquid InfinityはこれまでのLiquidでの現物取引やレバレッジ取引と同様に、様々な機能を備えています。Liquid Infinityに関してご質問がございましたら、FAQをご覧ください。
出金プロセスの迅速化
これまでにLiquidをご利用いただいているお客様から、多数の出金スピード改善についてのご要望をいただきました。
最近BTCやETHの出金を行ったユーザーの皆様は、出金までにかかる時間が大幅に改善されたことに気づかれたかと思います。これは、出金プロセスにマルチパーティコンピューティング(MPC)技術を統合したことによるものです。
LiquidはMPC技術を本番環境に導入することに成功した、初の取引所となりました。MPCは暗号分野で盛んに研究されており、Liquidでも秘密鍵の安全性確保と出金プロセスの迅速化を同時に実現する一連のツールに使用されています。
LiquidにMPC技術を統合する際には、同技術の導入が私たちの期待値に達するまで、厳格なテストを積み重ねました。
仮想通貨で大切なことは、皆様のお金がご自身に属しているということです。ですから、場所や時間を問わず、ご自身の仮想通貨にアクセスできることが大事です。顧客資産を一元管理している取引所としてこのビジョンを実現するために、Liquidでは出金を10分以内まで短縮することを目標としています。
QASH -> LQC
QASHには大きな期待を抱いていますが、同トークンのポテンシャルはLiquidプラットフォームの開発とリンクしていることもわかっています。
私たちが改善内容や新機能を継続的に公表すると、QASHの有用性や訴求力は高まります。しかし、QASHは私たちのブランド、ビジョン、およびお客様と共鳴するアイデンティティを必要としています。
これらを踏まえて、私たちは今後数ヶ月にわたりQASHをLQC(リキッドコイン)にリブランディングする予定です。
当四半期に発表したとおり、LQCへのリブランディングは、Liquidの次フェーズであるLiquid2.0を補完し、新たなインタフェースとユーザーエクスペリエンスを採用します。
新トークン上場とIEO (海外のお客様向けのサービス内容となります)
当四半期では、DREAM、HOTおよびHARTの3種類のトークンを新たに上場しました。
Liquid Initial Exchange Offering(IEO)サービスは、新たにトークンの発行を検討しているプロジェクトの間で人気を維持しています。当四半期には以下の4つのIEOをホストしました。
Game X Coin (GXC)、Qcity (QCTN)、Pledgecamp (PLG)、およびThx! (THX)。
春季クリーニング(海外向けの内容となります)
堅牢な取引環境を維持し、お客様に最高のユーザーエクスペリエンスを提供するために、私たちは流動性及び出来高の低い通貨とそれらに関連する取引通貨ペアを上場廃止することにしました。
このことがユーザーの皆様にとっても、Liquidプラットフォームの健全性にとっても最善であると考えたためです。
認知度の向上に向けて
仮想通貨市場が成熟に向かうなか、当四半期は自社プロダクトの向上に全力で取り組みました。一方で、Liquidブランドの認知度を高めるために、知名度の高い主要なイベントや会議にも時間を割いて出席しました。
香港ではCrypto.comとミーティングを共催し、当社CEOの栢森がCrypto.com CEOのKris Marszalekとともに、仮想通貨の未来に関するディスカッションに参加しました。



顧客サポート
当社は引き続き、自社のプラットフォームを通じたカスタマーエクスペリエンスとカスタマージャーニーの向上に注力します。カスタマーサポートチームはお客様への応答時間を短縮できるよう懸命に取り組み、業界標準を大幅に下回る4分30秒という驚異的な応答時間を達成しています(グローバルの内容となります)。
当然ながら、重要なのは速さだけではありません。適切にフォローすることが私たちの使命です。私たちがグローバルユーザーに対して実施した「ネットプロモータースコア (NPS)」パフォーマンスに関する最新調査では、皆様から90%という顧客満足度の格付けをいただき、引き続き、+31.4という非常に高いポジティブレベルを達成しています。
しかし、このようなポジティブな数値におごらず、自分たちを常に向上させる方法を模索していきます。
私たちはお客様一人ひとりを大切にし、よりパーソナルで有益なコミュニケーションができるように努めてきました。ご質問への回答にとどまらず、皆様がLiquidからベストな経験を得られるよう、私たちはさらにサポート体制を強化し、関係する業界情報の共有やマイルストーンの認識、アップデートなどに努めています。
また、皆様にふさわしいサービスを提供する「カスタマーチャンピオン」の継続的な育成を目指して、品質保証チームの規模を拡大しました。
さらに、引き続き全体的な口座確認ステップを改良し、よりスムーズに口座開設プロセスを進める技術を導入しています。
モバイル化(海外のお客様向けのサービス内容となります。日本ではライト版アプリをご提供しています)
新たなLiquid Proアプリへの期待が大いに高まっています。
Liquid Proは非常に優れたアプリで、フルリリースの準備もほぼ完了しています。
同アプリに詰め込んだ素晴らしい機能をお見せできる日が待ち遠しい限りです。
当四半期は一般向けのローンチに先立ち、フィードバックとインプットの収集を目的として、一部のLiquidユーザーの方々にLiquidProのベータ版をリリースしました。
現在、Liquid Proは仕上げ段階に入っており、大々的なお披露目の準備が整いつつあります。
今後に向けて
私たちは皆さまの期待を超越することをモチベーションとして、さらなる高みを目指しています。QASHがどのように発展していくのか、どうぞご期待ください。
Liquidに追加された新たな改善点や特徴は、新たなユーザーを魅了する潜在的なターニングポイントとなることでしょう。2019年も邁進を続けるにあたり、我々は新規ユーザーの獲得に注力します。
Liquidの成長にともない、当社のトークンのユーザーも成長します。
Liquidのエコシステムにより多くの人々を呼び込むことで、QASHの認知と需要を増大させることができます。
私たちはこれらのエキサイティングな変化を推進しながらも、自らのルーツも忘れてはいません。それは「私たちのコミュニティを大切にする」ことです。
本年は素晴らしい1年となると確信しています。
このブログを定期購読する
ブログを定期購読して、
最新情報をチェックしましょう。
執筆者
栢森 加里矢(かやもりかりや)
東京大学法学部卒業、ハーバード大学MBA取得。三菱商事、Globespan Capital Partners、ソフトバンクグループにてシニアロールを歴任する中、日・米・アジアで投資・IT・ベンチャーに携わる。2014年11月にQUOINEを共同創業、2016年4月よりCEO。