2020年3月のレポート

皆様、早いもので2020年2月も終わりました。
世界中で中国発の新型コロナウイルスが猛威を振るっており、不安な方も多いと思います。WHOもこの一ヶ月が決定的な分岐点になると言っておりました。
もし、コロナウイルスが長期化した場合、経済への打撃も当然ですが、個人的には56年ぶりの東京オリンピックが中止にならないか心配です。最悪の事態にならないことを祈っています。
この分岐点を乗り切るためにも、一人一人が気をつけることが重要です。当社でも安全第一で、在宅勤務を励行しております。
皆様もくれぐれもご自愛くださいませ。
2020年
2020年は特別な年になると思います。
年初より主要な暗号資産の価格は上昇し、ビットコインの価格は一時115万円台まで付けました。コロナウィルスによる世界的な不安からか2020年2月末時点では約95万円となりましたが、2019年12月末は約78万円でしたので、それでも約27%の上昇となります。
今年5月のビットコイン半減期にむけて、どのような値動きになるか興味深いです。一部では織り込み済みとの見解もありますが、過去は半減期以降1〜1.5年かけて上昇しております。前回の半減期は、2016年で、まだビットコインがあまり知られていなかった時期でした。それから4年が経ち、ビットコインの認知度は広く行き渡っていますので、今回の値動きは注目に値します。
皆様はどう思われますか?私は個人的に半減期から半年かけて今の2倍になっているような気がします。
そして、2020年は当社も大きく羽ばたく年になると思います。
改正資金決済法や、金商法対応等、新たな法令が施行されますので、それに合わせて皆様により良いサービスを提供していきたいと思います。
是非2020年のLiquidにご期待ください。
主なプロダクトアップデート
■Liquid 分散台帳(LDL)テストネットリリース
皆様に、タイムリーにご報告できずに心苦しかったのですが、当社のブロックチェーンチームはずっとLiquid Distributed Ledger(LDL、当社の分散台帳)の開発を進めておりました。
当社の分散台帳は敢えてコンセンサス・アルゴリズムで競うのではなく、開発者にとってもっとも使いやすい、開発しやすいスマートコントラクトの開発に注力してきました。例えば、Ethereumでアプリを開発するには、ソリディティという新たな開発言語を習得する必要があります。一方で、LDLでは、既存の開発言語(例:C++)でアプリを開発できる環境を提供します。
私の前職である通信業界では、この10年で通信技術が3Gから4G、そして5Gへと移行しております。ただ、通信技術とその上で開発されるアプリは切り離されていますので、開発者は通信技術を心配することなく、最高のアプリやサービスの開発に集中することができます。
当社のまさにLDLでそれを実現します。特定のコンセンサス・アルゴリズムに依存することなく、その時代時代の最高のコンセンサス・アルゴリズムに切り替えることができるのです。
そして、時間がかかってしまいましたが、2月にテストネットをローンチしました。ここから3-6ヶ月かけてメインネットへの移行を目指します。また、Liquidの独自トークンであるQASHもLDLのNative Tokenとして利用できるようになります(ステーキング対応も行う予定です)。
是非今後ともサポートをお願い致します。
■ワールドブック
Liquid Global (海外居住者向けサービス)でローンチ予定のPerpetual Swap(ベータ版)に備え、一時的にワールドブックのテストを中断しておりましたが、ようやく再開しました。
まずは、ビットコイン以外の暗号資産であるETHやXRPを中心に試験的に行っております。
ワールドブックは他社にない当社の強みであり、流動性を提供するというミッションを実現する為の不可欠な機能・サービスです。
今後、少しずつ厚みを増していく予定ですので、乞うご期待ください。
■呼値(ティックサイズ)の変更
2月4日のメンテナンスで呼値単位の変更をいたしました。
その際、データベースの不具合が生じてしまい、皆様にご迷惑をおかけしてしまいました。大変申し訳ございません。
呼値変更は、皆様に快適なお取引環境を提供するためのシステムのアップグレードの一つであります。今後も随時アップグレードを実行していく予定ですが、障害が起きないよう細心の注意を払っていきますので、温かく見守って頂けますと幸いです。
- 参考FAQ:取り扱い通貨ペアの一覧
■Liquidステータスページ開設
前述のとおり、お恥ずかしいことに、アクセス障害やメンテナンス時間の延長、緊急メンテナンスなど、皆様に多大なご迷惑をおかけしてしまい誠に申し訳ございませんでした。
今後のシステム改善は勿論のこと、お客様への周知方法についても見直しを図って参ります。
その一つとして、まずはLiquidのシステム稼働状況がリアルタイムで確認できるステータスページをご用意いたしました。
万が一の障害時やメンテナンス時などにご活用ください。
■APIドキュメント日本語版ページ
これまで英語版のみで提供しておりましたLiquidのAPIドキュメントのページですが、ついに日本語版が完成いたしました。
すでにAPI取引を利用されているお客様はもちろん、これからAPI取引を始められるお客様も、これを機に是非ご参考にしてください。
これからも日本のお客様に、より良い環境を提供できますよう尽力して参ります。
■BSV相当額の日本円付与完了のお知らせ
2018年11月16日に行われたBCHのハードフォークにより発生したBSV(Bitcoin SV)について、時間がかかってしまいましたが、2020年2月10日に対象となるお客様にBSV相当額となる日本円の付与を行いました。ちょうどアルトコインの価格が上昇しておりましたので、タイミングとしてはよかったと思います。
Liquidのニュース
■CryptoCompare世界仮想通貨取引所ランキング、Liquidが6位にランクイン
英国の仮想通貨データ調査会社CryptoCompareが発表した2019年第4四半期の仮想通貨取引所ランキングで、前回に引き続きLiquidが国内最高位の6位にランクインしました。
世界Top10に入ることも大変光栄なことですが、次回はTop5に入ることを目指して参ります。
■ビットコイン価格を決める仮想通貨取引所、世界10社にLiquidが選出
アメリカの大手総合情報サービス会社ブルームバーグの市場記事で、ビットコイン(BTC)の価格形成(価格発見)を主導している取引所としてLiquidが取り上げられました。
今後も仮想通貨業界の健全な発展に貢献していきたいと思いますので、引続き当社をご愛顧頂けますと幸いです。
- Bloomberg(元記事となります)
- CoinPost
- Cointelegraph
■CertiKおよびリキッドグループ株式会社の業務提携に関するお知らせ
この度Liquidは、世界のブロックチェーンセキュリティー技術を牽引するCertiKと業務提携をいたしました。セキュリティーソリューションに関して豊富な経験と実績をもつCertiKとの提携はLiquidへの信頼をより強固なものにしてくれるでしょう。
その他のお知らせ
■社員紹介ブログスタート
Liquid by Quoineを運営するQUOINE株式会社で働く社員を不定期でご紹介いたします。それぞれの社員が暗号資産やブロックチェーンへの想い、仕事への熱意を語り、社内の雰囲気が垣間見れる内容になっております。
皆様にQUOINEをより身近に感じて頂けましたら幸いです。
- 最新記事:Liquid社員紹介 vol.3
■Liquidデジタル資産カストディイベント開催
2月4日に東京オフィスにて、暗号資産カストディに関するイベントを開催いたしました。残念ながら私は物理的に参加することができませんでしたが(FBオンラインでリアルタイム参加)、国内外から多くの方々にご来場いただき、大盛況のまま無事終えることができ、大変嬉しく思っております。
今回のイベントを全面的にサポートしてくださったUnbound Tech社にこの場を借りて御礼申し上げます。
イベントではUnbound Tech社 CEOのProf. Yehuda Lindell氏より、暗号資産を守るためのMPC(マルチパーティ計算)べースのセキュリティー技術についてプレゼンテーションを行なっていただきました。
弊社COOのSeth Melamedからは、Liquidのセキュリティープロセスについてご説明させていただきました。
また、Irfan Ahmad氏 (State Street Corporation, Vice President)、Thomas Gluckman氏 ( Merkle Science, Head of Global Business Development) にもご参加いただき、パネルディスカッションを行いました。
LiquidはUnboundのMPC技術を実装することによって、堅牢なセキュリティーを保持しながら、サービスレべルを大幅に改善することができました。
今回のイベントが、カストディーの最先端技術であるMPCについて理解を深めていただく機会となりましたら幸いです。
イベントの動画はYouTubeでこちらよりご覧いただけます。
全編英語となり恐縮ではありますが、YouTubeの字幕機能で日本語を設定していただくことも可能です。
動画内右下に表示される設定ボタンより、字幕設定をお試しください。
最後に
先々週、ウィンクルボス兄弟が当社に遊びにきてくれました。
彼らに最初にあったのは2016年のニューヨーク訪問時でした。早いものであれから4年です。同じ志をもっており、色々な話ができて大変有意義でした。
最後になりますが、改正資金決済法、および金商法改正に伴い、日本の仮想通貨業界は更なる激動の一年になります。コロナウィルスも心配ですが、ビットコイン半減期もむかえ、目が離せません。
皆様に毎日使っていただけるサービスを目指しますので、引き続きよろしくお願い申し上げます。
令和2年3月9日
栢森
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執筆者
栢森 加里矢(かやもりかりや)
東京大学法学部卒業、ハーバード大学MBA取得。三菱商事、Globespan Capital Partners、ソフトバンクグループにてシニアロールを歴任する中、日・米・アジアで投資・IT・ベンチャーに携わる。2014年11月にQUOINEを共同創業、2016年4月よりCEO。